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スコセッシ&ノーランほか著名監督、テレビへの「フィルムメーカー・モード」搭載を支持 ─ クリエイターの意図した映像を自動で再現

巨匠マーティン・スコセッシ、『ダークナイト』3部作や『インターステラー』(2014)『ダンケルク』のクリストファー・ノーランら著名な映画監督たちが、家庭用テレビへの「フィルムメーカー・モード(Filmmaker Mode)」搭載に支持を表明した。

「フィルムメーカー・モード」は、ハリウッドの大手スタジオや家電メーカーなどによって構成されるUHD Allianceによって発表されたもの。アスペクト比や色調、コントラスト、フレームレートといった諸要素を作品に埋め込まれたメタデータから読み取り、映画監督ほかクリエイターが意図した映像が再現されるように自動調整してくれる。もちろん、通常の映画が1秒24コマ、テレビが1秒60コマで構成されるがゆえの差異を自動で補完する「スムージング機能」も無効化される。

すでに「フィルムメーカー・モード」については、LGエレクトロニクス、パナソニック、VIZIOの3社が支持を表明。対応製品や展開計画は今後発表されるという。なお「フィルムメーカー・モード」という名称はメーカーやブランドを超えて使用される予定のため、製品によって呼称が異なるという混乱を招くこともなさそうだ。

映画の保存と修復を目的とする非営利団体「Film Foundation」の設立者でもあるマーティン・スコセッシ監督は、同団体の目的が「作り手のビジョンを守ること、作り手の意図通りに映画が観られること」だといい、「現在、多くの人々は古典的な映画を映画館ではなく自宅で鑑賞します。フィルムメーカー・モードの搭載は、唯一無二の細部を、撮影された通りに表現する上でも重要なのです」とコメント。クリストファー・ノーラン監督も「本来の意図にできるだけ近い形で作品を表現できる技術を支持します」とした。

また『ブラックパンサー』(2018)のライアン・クーグラー監督は、映画が家庭で繰り返し観られること、また長きに渡って観られ続けていくことから「フィルムメーカー・モード」を支持。『ワンダーウーマン』(2017)パティ・ジェンキンス監督や『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)ライアン・ジョンソン監督も同じ意志を明らかにしている。『ファントム・スレッド』(2017)『ザ・マスター』(2012)ポール・トーマス・アンダーソン監督は「現在のテレビの進化を見れば、今こそフィルムメーカー・モードの登場にはふさわしい」と述べた。

なお、このたび監督たちは「フィルムメーカー・モード」の導入を支持するメッセージ映像を公開している。ハリウッドの大手スタジオ/企業からは、ワーナー・ブラザースとユニバーサル・ピクチャーズ、Amazon Prime Videoも「フィルムメーカー・モード」の支持を表明した。

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Source: Business Wire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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