【ネタバレ】『ファースト・マン』ラストシーンに描かれなかった「その後」 ─ 月から生還したニール・アームストロングが息子にかけた言葉とは

『ラ・ラ・ランド』(2017)デイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングのタッグが贈る映画『ファースト・マン』では、人類で初めて月面に立ったニール・アームストロングの物語がドラマチックに描かれる。ニールはアポロ11号による月面着陸を成功させ、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」との名言を残して地球に生還した。
帰ってきたニール・アームストロングと、息子たちとの再会。そこには、映画では描かれなかった”その後”のささやかな一コマがあった。THE RIVERでは、ニールの次男であるマーク・アームストロング御本人に話を聞いた。
この記事で語られる内容は史実ですが、映画『ファースト・マン』ラストシーンのネタバレにもなっています。

『ファースト・マン』ラストシーン、ニール帰還の後日談
月に挑む壮大なミッションをやり遂げたアポロ11号のニール・アームストロングらは1969年7月24日、太平洋上に無事着水。その後は、月から未知の病原菌やウイルスを持ち帰っていないか検査するため、ただちに隔離病棟に移された。映画『ファースト・マン』では、ライアン・ゴズリング演じるニールが妻ジャネットとアクリル板を隔てた形で面会をしていたが、息子たちと再会する様子は描かれていなかった。

月から戻ったニールが、再会した息子たちにかけた声は、彼の人柄がよく現れた温かい言葉だった。ニールの次男マーク・アームストロングが、THE RIVERに語った。
「父が帰ってきたその日は、隔離トレーラーに乗っていました。宇宙船から降りてすぐにこのトレーラーに移動して、ヘリコプターでヒューストンから離れてアーリントン米軍基地に運ばれました。私達もそこで面会したんです。エアストリーム社のシルバーの車両で、窓ごしに青いスーツを着た3人の宇宙飛行士が中に入っているのが見えました。私達は車両の外から電話を通じて話しました。

それからそのトレーラーはヒューストンに戻り、NASAの月試料研究所に格納されました。研究所は閉ざされていて外には出られません。『ファースト・マン』のラストシーンは、この月試料研究所での出来事ですね。」
父が帰ってきて、初めての会話を覚えていますか?そう尋ねるとマークは、「はい、覚えていますよ」と嬉しそうな笑顔を見せた。
「兄には“ちゃんと芝刈りはしていたか?”(※)と、私には“ちゃんと母さんの言うことを聞いてたか?”と言いましたね。宇宙飛行がどうだったかは話そうとせず、自分がいない間に私たち兄弟がちゃんと家のことを手伝っていたかを知りたがっていました(笑)。」
※アームストロング家は農場。
なお、THE RIVERによるマーク・アームストロングへのインタビュー記事は後日公開予定。映画への理解が深まるエピソードが語られているのでお楽しみに。
『ファースト・マン』公式サイト:https://www.firstman.jp/