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ローレンス・フィッシュバーン、DC映画復帰に消極的 ― 複雑な思い明かす「もう求められていないと思う」

ローレンス・フィッシュバーン
Dept. of Defense photo by Navy Petty Officer 2nd Class Dominique A. Pineiro/Released https://www.flickr.com/photos/thejointstaff/34117818524/

1970年代からキャリアをスタートさせ、現在は映画『マトリックス』シリーズや『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)などで知られる俳優ローレンス・フィッシュバーン。大のコミックファンを公言する彼は、マーベル・コミック作品とDCコミックス作品の両方に出演する、ハリウッドでも数少ない人物の一人だ。しかし今、ローレンスはDC映画への復帰に消極的な姿勢を示している。

ペリー・ホワイト役は「もう求められていない」

ローレンスがDC映画ユニバースで出演したのは、『マン・オブ・スティール』(2013)と『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)の2本。クラーク・ケント/スーパーマンの恋人ロイス・レインの上司で、デイリー・プラネット紙の編集長ペリー・ホワイト役を演じた。
その後、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『アントマン&ワスプ』(2018)にビル・フォスター役で出演することが明らかになった際には、比較的近い時期にユニバースを“越境”するキャスティングに話題が集まったのである。

ペリー・ホワイト役を再演する可能性について、ローレンスはワーナー・ブラザース&DCとの穏やかならざる関係を英Den Of Geek誌に示唆した。

僕は(DC映画に)もう求められていないと思います。残念ながら、『ジャスティス・リーグ』(2017)という映画になった作品で仕事をすることができなかったですしね。僕が復帰する必要があるのか、それとも彼らが僕を戻すつもりなのかどうかはわかりません。参加できたことには感謝しています。ザック(・スナイダー)との仕事はとても良かった。彼はすばらしいスーパーヒーロー映画を作ったと思う。今は(MCUに)関わることを楽しんでいますよ。」

このコメントからは、ローレンスが『ジャスティス・リーグ』やザック・スナイダーをめぐって、ワーナー/DCに複雑な思いを抱いていることがどことなくうかがえるだろう。『ジャスティス・リーグ』は当初2部作構想だったが、企画途中で単独作品へと変更された。「『ジャスティス・リーグ』という映画になった作品」という言い回しには、本来構想されていたものとは違ってしまったというニュアンスを汲み取ることができる。ローレンスは、同作の制作を途中降板し、監督として今後のDC映画に携わる予定のないザック・スナイダーには非常に好意的なコメントを送っている。

ローレンスのワーナー/DCへの思いが直接的に現れたのは、制作の噂がささやかれる『マン・オブ・スティール』続編の話題にインタビュアーが踏み込んだ時だった。「『マン・オブ・スティール2』や今後の企画についてご存知ではないんですか?」と問われると、「知りません、知りません。何も聞いてません」と答え、このように続けたのである。

「彼ら(ワーナー/DC)は厳しい状況に陥ってしまった。20年前に始めていれば良かったのに、と心から思っています。でも大丈夫ですよ、彼らは彼らなので。」

ワーナー/DCは『ジャスティス・リーグ』の公開後、プロデューサー陣を一新しており、新体制で今後の展開に取り組む意向だ。2019年までに『アクアマン(邦題未定、原題:Aquaman)』や『シャザム!(邦題未定、原題:Shazam!)』、『ワンダーウーマン 1984(邦題未定、原題:Wonder Woman 1984)』の公開が控えている。観客としては今後の飛躍を願う一心だが、ここに至るまでに、内部ではいったい何が起きていたのか……。

ローレンス・フィッシュバーンが出演している映画『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』はブルーレイ&DVDが現在発売中。

Source: DOG

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。