『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』原作者とファンを尊重して大ヒット、ジェイソン・ブラムが明かす「低予算ホラー」の極意【来日インタビュー】

──さて、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』では興味深いストーリーが語られていて、『ブラック・フォン』に通ずるようなところもあったと感じました。ストーリーの肉付けについて教えてください。
ゲームの1作目を使いながら、何年もかけて、いろいろなゲームからいろいろなものを取り入れました。ストーリー作りは何年もかけて行っています。たくさんのライターがストーリー作りに参加しました。
原作者のスコットは、この映画をどうするかについて非常に具体的なアイデアを持っていたのですが、しかし彼は映画製作者というわけではありません。なので、じっくりと時間をかけて、原作者スコットのやりたいことを映画の形に合わせていったのです。この映画で観られるのは、スコットがイメージして作り上げたものです。原作者の考えをスクリーンにどのように映し出すかについて、長い時間をかけて探っていきました。

──スコットさんが撮影用のアニマトロニクスを初めて観た時は、どんな反応をされていましたか?
CGではなくアニマトロニクスの特撮でやりたい、というのも彼の希望でした。彼は絶対にアニマトロニクスが良いと信じていて、僕たちも同意しました。
そして、パペット製作の第一人者である、ロサンゼルスのジム・ヘンソンを起用しました。アニマトロニクス製作は撮影の一年前からじっくり時間をかけています。
アニマトロニクスの実物を見た時、スコットは大興奮していましたよ。彼も全ての製作プロセスにおいて深く携わっていて、彼のクリエイションをそのまま具現化しています。彼は、特撮用アニマトロノクスの製作にはしっかり予算を充てるべきだと主張していて、それはまったく正しかったと思います。だって、それこそが原作ゲームの根幹ですからね。おかげで、映画の中でも素晴らしい出来栄えになりました。

──ホラー映画の製作者に聞いてみたかったことがあるんですけど……、自分が製作しているホラー映画に登場するアニマトロニクスや、人形、パペットなどが真夜中のセットで佇んでいるのを見て、ゾッとするような気持ちになることはありますか?
いいや、そういうことは稀だなぁ(笑)。僕は山ほど恐怖映画を作ってきたから、もう怖がることはないですね。現場の他の人たちも、怖いとは感じていないと思いますよ。
──そうなんですね(笑)。夜遅くにひとりでホラー映画の映像を編集しているのって、どんな感じなんだろうかとよく思っていて(笑)。
確かに、編集者は怖いかもね!(笑)でも、そうでもないんじゃないかな。映像は何度も何度も繰り返し確認するから、きっと感覚が麻痺しているよ。