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【インタビュー】『ザ・フォーリナー/復讐者』マーティン・キャンベル監督 ─「誰も観たことのないアクション」を求めて

ザ・フォーリナー/復讐者
© 2017 SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION STX FINANCING, LLC WANDA MEDIA CO., LTD.SPARKLE ROLL CULTURE & ENTERTAINMENT DEVELOPMENT LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

とにかく実物志向、アクションへのこだわり

マーティン監督にとって『ザ・フォーリナー/復讐者』は、『007 ゴールデンアイ』『007 カジノ・ロワイヤル』に次ぐ代表作ともいえる一本だ。シリアスなストーリーを丁寧に紡ぎ出し、緊張感あふれるアクションを決して飽きさせることなく見せる。3つの作品は、アクションをほとんどCGに頼らず実物志向で撮り切っているところも共通する。

なぜ、アクションシーンを実物で撮ることにこだわるのか? 愚問を承知であえて問いかけてみると、マーティン監督は「すべてはリアリティのためですよ」と即答してくれた。

「アクション映画を観ていると、“そんなの人間には無理だろう”って思ったりする。お互いに撃ち合ったかと思いきや、壁を駆け上がったりして。だから僕は実際に撮りたい。実物を使って、CGなしで撮りたいと思っています。『ゴールデンアイ』や『カジノ・ロワイヤル』もほぼ実物を使っているので、非常にリアルでしょう。後からCGを足すようなことはほとんどしていません。クレーンから飛び降りたりする場面では安全のためにワイヤーを付けますが(笑)、それでも実際にスタントマンが飛び降りています。とにかくその場でカメラに映るアクションを撮りたい、だからこそリアリティがあるんだ、というのが僕の信条です。」

ザ・フォーリナー/復讐者
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“実物を使った”アクションといえば、ジャッキーこそまさしくその第一人者だ。長年にわたって危険なスタントに自ら挑戦してきたジャッキーと、マーティン監督の間には、きっとアクション映画を作るうえでの哲学についても通じ合う部分があったに違いない。

「ジャッキーの映画を観るとよくわかりますが、たとえばハシゴを駆け上ったかと思ったら、誰かをぶちのめしてテーブルに飛び乗って、さらにテーブルクロスで誰かをぐるぐる巻きにして…そんな5分くらいの場面を1カットで撮っている。そんなアクションを、カメラの前でCGを使わず演じているんです。完璧な仕上がりを求めて、100テイク撮ることもいとわない。『酔拳』シリーズなんてまさにそうでしょう。

実際に演じているかどうかは、観客にも伝わると思うんです。実物を使わずにCGで撮ると、説得力のないアクションになってしまいます。殴り合っているのに、誰も血を流さなかったりして(笑)。顔を思い切り殴られれば歯は2本くらい飛ぶだろうし、鼻も潰れると思うんですよ。そこでリアリティが失われてしまう。」

ザ・フォーリナー/復讐者
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ヒーロー映画にも肯定的な視線

ハリウッドにおいて、とことん実物を追求するアクション映画は少数となった。現代のブロックバスター映画で最前線を牽引するのは、コミックを原作とするスーパーヒーロー映画。アクションシーンはド派手なCGで演出されるのが一般的だ。実はマーティン監督も、かつてDCコミックスを原作とするヒーロー映画を手がけた経験の持ち主である。自身の幅広い経験や信条、哲学を踏まえて、監督はヒーロー映画の隆盛をどのように受け止めているのだろうか。

「ディズニーとマーベル(・スタジオ)は素晴らしい仕事をしていますよね。『アベンジャーズ』(2012)にせよ『マイティ・ソー』(2011)にせよ、スーパーヒーローで非常に優れた映画を作っています。」

経験者ゆえだろう、マーティン監督はヒーロー映画のムーブメントにも肯定的な視線を向けた。長らく映画・テレビの世界に身を置き、幅広いアクション作品を送り出してきた監督の言葉には、業界や観客の状況、あらゆるジャンルやメディアへの思考と敬意が見え隠れする。たとえば自分の信条にうまくフィットしない部分にも、その知性が浮かび上がってくるのだ。

「ヒーロー映画は、どうしても“ヒーロー映画”になるものですよね。スーパーヒーローはスーパーパワーを持っていますから、もちろんアクションも“スーパー・アクション”になる。CGを使った派手なアクションシーンです。そうするとファンタジックになりがちで、現実的にはならなくなる。どうしても(コミックの)世界観やキャラクターに付随するアクションになります。

だけど、そもそも楽しいアクションを見せるキャラクターであれば、元々のコミックにそうやって描かれているんです。ファンもキャラクターを愛しているからこそ、まるでコミックを読んでいるかのようなアクションを映画に求める。だって、それがコミックに描かれているアクションなんですから。」

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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