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【インタビュー】『ザ・フォーリナー/復讐者』マーティン・キャンベル監督 ─「誰も観たことのないアクション」を求めて

ザ・フォーリナー/復讐者
© 2017 SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION STX FINANCING, LLC WANDA MEDIA CO., LTD.SPARKLE ROLL CULTURE & ENTERTAINMENT DEVELOPMENT LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

「新しいものを作る」クリエイターとしての信念

これまでマーティン監督は、映画やテレビドラマの世界で時代が変わり、流行が移っていく様子を見てきた。しかし監督は、そんな中でも「僕自身に大きな変化はありません」と語る。それは、これまで常に“観客が観たことのないもの”を求めてきたからなのだそうだ。

『007』の時は、いまだかつて観たことのないアクションを生み出そうと考えていました。『ゴールデンアイ』で高さ800メートルくらいのダムを飛び降りるシーンなんて、あんな場面が作られていなかったからこそ、CGなしでスタントマンに演じてもらったわけです。『カジノ・ロワイヤル』のオープニングも同じで、つまりは観客が初めて観るようなものをどう作るかということ。『007』の場合、とてもファンタジックでありながら、同時に観客が観たことのないアクションを常に目指していました。」

そんなマーティン監督が、「一番イヤなアクション」と言って憚らないのがカーチェイスだ。「だって500回以上は観てるでしょう、飽きちゃいますよね」。たとえば『カジノ・ロワイヤル』では、映画中盤に存在した、誘拐された女性を追跡するカーチェイスを脚本からバッサリと短縮している。「退屈しないようにカーチェイスはやめました。20秒くらいで車を横転させて終了です。とにかく既存のルールを破る、ユニークなものを目指しているんです」。

ザ・フォーリナー/復讐者
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むろん付け加えておけば、マーティン監督はただ目新しいアクションをやみくもに目指しているわけではない。「アクションと脚本は深く結びついている」という原則を大切にするマーティン監督は、「すべてのアクションは脚本を読むと見えてくるんです」と教えてくれた。「その中で、新しいものや面白いもの、ワクワクするもの、観たことのないものをどんなふうに見せられるかなと思うんです」。

『ザ・フォーリナー/復讐者』には、こうしたマーティン監督の信念と哲学がみっちりと詰まっている。誰も観たことのないジャッキーとピアース、スリリングかつスピーディな演出、実物志向のアクションと息詰まる政治アクションの融合……。それらの実現には、マーティン監督の才能のみならず、ジャッキー・チェンとピアース・ブロスナンという2人のプロフェッショナルが存在も欠かせなかった。

ちなみにマーティン監督は、この作品を経て、「特別な存在」であるピアースとの次回作に着手しているのだそう。インタビューの途中、「実はピアースと一緒にやりたい企画があって、ひとつはすぐに作れそうなんです」と明かしてくれた。

映画『ザ・フォーリナー/復讐者』は2019年5月3日(金・祝)全国ロードショー

『ザ・フォーリナー/復讐者』公式サイト:https://the-foreigner.jp/

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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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