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『フォードvsフェラーリ』クリスチャン・ベール、激しい肉体改造は今回で最後 ─ 「あれは健康に良くない」業界の現状に危機感抱く

フォードvsフェラーリ
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

1966年、ル・マン24時間レースで“絶対王者”フェラーリに挑んだ2人の男を描くフォードvsフェラーリで、俳優クリスチャン・ベールは再び過酷な肉体改造に挑んだ。ベールは前作『バイス』(2018)でアメリカの元副大統領ディック・チェイニーを演じるべく、体重を約22キロ増量。そこから本作の天才ドライバー、ケン・マイルズ役を演じるべく、なんと30キロ以上の減量をやってのけたのである。

CBSの取材にて、ベールはこうした肉体改造について「今回で終わりだと言い続けていますが、今回こそ、これで終わりだと心から思っています」と述べた。「そうしなきゃいけない」のだと。1974年生まれのベールは現在45歳(2020年1月11日現在)、米Yahoo!では自分自身の健康について「きちんと心配し始めていますよ。心配とは違うな、きちんと考え始めているんです」とも語っている。

バイス
『バイス』より © 2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

『マシニスト』(2004)で約27キロの減量に取り組み、そのストイックすぎる役づくりで世界を驚愕させたベールは、『戦場からの脱出』(2006)や、アカデミー賞助演男優賞に輝いた『ザ・ファイター』(2010)でも同等の肉体改造に挑戦。その他の作品でも、役柄に応じて筋肉や贅肉を増減させる肉体改造を行ってきた。もはや、“肉体改造俳優”の第一人者と言っても過言ではないのである。

ところがベール自身は、こうした激しい体重の増減が役づくりの基準として扱われつつあることに危機感を覚えているようだ。

(肉体改造が)普通の話題になっていくことが気にかかっています。だって、あれは健康に良くないですからね。それが、仕事への献身ぶりの目安になってきている。僕は、そういうふうに考えたことは一度もありません。“ああ、やらなきゃいけないな”と思うから、そうするだけで。それが“どれくらい役柄に身を捧げましたか?”とか、“どれくらい体重を絞ったんですか?”とかって目安になりつつあるのが心配なんです。最後には悲劇が起こりますよ。そういうことは例外的でなくてはいけない。誰もが役柄の本質を求めているものなんですから。」

実際のところ、『フォードvsフェラーリ』で体重を激減させたのも、ケン・マイルズ役のためだけではなかったという。『バイス』の撮影当時、ベールの体重は108キロほどになっており、むしろそのままでは健康に害を及ぼすため、減量の必要があったのだ。ベールは「必要だったから減らしたんですよ、そうしないと死んじゃうから」と言いつつ、こんなことも口にしている。「一石二鳥ですよ。体重も減るし、GT40にも乗れるようになるし」

ちなみに、ベールは『バイス』の撮影当時、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)にて特殊メイクで“変身”したゲイリー・オールドマンに「どれくらい太ったんですか?」と相談。「僕は太ってないよ」と返されて言葉を失ったという逸話が存在する。今後は、ベールも特殊メイクを採用していくことになるのかもしれない。

映画『フォードvsフェラーリ』は2020年1月10日(金)より全国公開中

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Sources: CBS, Yahoo!

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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