ゲームストップ株騒動、早くもNetflixで映画化へ ─ 『ハート・ロッカー』脚本家が交渉中

Netflix、この早業である。
2021年1月末に世界を騒がせた「ゲームストップ株騒動」が、早くもNetflixで映画化される見込みのようだ。米Deadlineが伝えた。
ゲームストップ株騒動とは、アメリカのゲーム小売店ゲームストップの株価が、1月28日に突如急騰、その後急落した現象を中心とする話題。ネット上で集まったアマチュア投資家たちが結託し、ウォール街のヘッジファンドに大損させる目的でゲームストップ株を集団で買い上げたことが要因だ。
ゲームストップ社はゲーム販売店を展開する企業で、オンラインゲームの台頭とコロナ禍のあおりをうけて業績不振に陥っていただけに、突然の株価上昇は大きな話題に。株取引アプリのロビンフッドが関係銘柄の取引を制限したことが政治家や専門家らの批判を招くなど、市場を混乱させている。
騒動から一週間もたたないうちに、Netflixは早くもこの経済問題の映画化に乗り出した。既に脚本家のマーク・ボールへ執筆の交渉を取り付けているという。ボールは、『ハート・ロッカー』(2008)『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)『デトロイト』(2017)といったリアリスティックな物語を得意とする人物だ。監修として、ニューヨーク大学スターンビジネススクールのマーケティング教授スコット・ギャロウェイにも交渉を行っているという。
主演俳優にも、Netflix映画『好きだった君へ』シリーズで活躍のノア・センティネオに白羽の矢を立てている。センティネオは今後、ドウェイン・ジョンソン主演のDCスーパーヒーロー映画『Black Adam(原題)』で分子構造を操るスーパーヒーロー、アトムスマッシャー役を演じることでブレイクが見込まれる若手俳優だ。
報道によるとこの映画では、ソーシャルメディアがいかに(市場に)公平条件をつきつけたか、大衆がいかに現状維持の門番へ挑めるようになったか、その功罪を描くという。
実際にあった経済問題を映画化した先例といえば、サブプライム住宅ローン危機を描いた『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)があるが、現在進行系の話題の映画化にいち早く乗り出すNetflixのフットワークには舌を巻く。記事によると、ゲームストップ株騒動を描く「ライバル企画」は他にも潜在的に複数存在しているというから、後続企画も追って登場するかもしれない。
Source:Deadline