「2年後どんな映画を観られるのかは、鑑賞券という投票次第」『ザ・クリエイター/創造者』ギャレス・エドワーズ監督が熱弁「映画館で映画を応援して」

「私が子どものころ、映画館で上映される映画のほとんどが、オリジナリティあふれるブロックバスター作品ばかりでした。まるで映画の神々が天国から降らせているかのように、一か月もしないうちに続々と別の名作SF映画がリリースされていました。そういう映画の映像やキャラクターは何十年経っても記憶に残り続け、頭の中で一生飛び回り続けるものです。」
映画『ザ・クリエイター/創造者』のギャレス・エドワーズ監督は、本作のプロダクションノートにこう寄せている。かつて、ロマンと波乱に満ちた近未来を描くSF映画がいくつも登場していた。それが今では、オリジナルのSF映画というのは、気づけば希少なものになりつつある。『ザ・クリエイター/創造者』は、「あの頃のSF映画の興奮」を、もう一度取り戻す意欲作だ。
エドワーズはこの映画のため来日し、THE RIVERの二度にわたる単独インタビューに答えた。「フィルムメーカーや映画スタジオが、昔のようにSF映画を作らなくなったのはどうしてだと思いますか?」と尋ねると、「答えはシンプルですよ」とエドワースは返した。
「需要がはっきりした映画しか作らないからです。続編ものやシリーズものばかりが観られているから、そういうものばかりが作られているというわけです。」
続けてエドワーズは、フィルムメーカーとして、そして一人の映画ファンとして、本心の想いをTHE RIVER読者に託している。
「この記事を読んでくれている人に向けて言いたいです。好きな映画があったら、映画館に観に行ってくださいということです。
それは民主主義です。今から2年後、3年後、あなたがどんな映画を観られるのかは、今購入する鑑賞券という投票にかかっているのです。だから、映画館で映画を応援していただきたいです。どうせストリーミング配信があるからと、映画館での鑑賞を見送っていたら、それは“この映画は好まれなかった”と判断されてしまいます。
実際の映画館に足を運ぶことが、すごく重要なのです。作品の良し悪しが判断されるのは、そこです。そうすれば、また2年後に望む映画が観られるようになる。気になる映画があったら、どうか映画館に出かけてください。大スクリーンで応援してください。」
気になる映画、好きなジャンルの映画、推しが出ている映画、理由はなんでも良い。映画は映画館で鑑賞されてこそ、好循環を生むということだ。そのことが結果的に、あなた自身が将来観られる映画にも大きく影響するのだというのが、ギャレス・エドワーズの伝えるところである。

エドワーズ監督がSFオタク魂を炸裂させた傑出作『ザ・クリエイター/創造者』は、2023年10月20日より日本公開。気になる方は、ぜひ劇場で観よう。なお、ギャレス・エドワーズへのインタビュー全文は後日掲載予定。
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