【ネタバレ】「ジェン・ブイ」シーズン2は亡くなったアンドレ役チャンス・パードモをいかに追悼したか ─ 「かけがえのない友人だった」と共演者

この記事には、「ザ・ボーイズ」シーズン2第1話『新学期の始まり』のネタバレが含まれています。

「ジェン・ブイ」シーズン1のフィナーレは、“森”での乱闘後、アンドレ、エマ、マリー、ジョーダンが施設に収容される形で幕を閉じた。シーズン2第1話『新学期の始まり』で、その施設がエルマイラのリハビリ・センターだったことが明らかとなる。
長期間の監禁を経て釈放されたエマ&ジョーダンは、「不当な告発ののち無実になった」と会見を開き、しぶしぶゴドルキン大学に復学。マリーは隙を見つけて、一人で脱走をはかっていた。
一方、アンドレは命を落としていた。第1話の後半で、エマ&ジョーダンの口から詳細が語られる。マリーの脱走を受けて逃げ道の存在を確信したアンドレは、点検用パイプを発見。本来なら一人で逃げられたが、全員での脱出を待った。しかしパイプはレンガで塞がれて突破できず、警備員に囲まれてしまう。さらに別の鉄の扉を壊そうとするも力が及ばず、最終的に力を使いすぎて、脳梗塞を起こしたのだという。
その死はケイト、サム、マリー、そして父ポラリティを含む多くの人々に深い衝撃を与え、喪失感と自責の念を残した。物語全体に影響を及ぼす中で、個人の物語として特に変化を見せるのがエマである。
米The Hollywood Reporterのインタビューでブロードウェイは、シーズン1のエマには「希望と無垢さがあった」としたうえで、シーズン2では「防御の壁をたくさん築いている。子供のような無邪気さや純真さは薄れています」と説明。そしてアンドレの死が、エマに「目的意識を与えた」という。
「今シーズンにおける真のリーダーとは、自分自身を克服すること──恐怖や劣等感、不安に打ち勝ち、より大きな目的のために尽くすことです。エマは早い段階で“私は何者か?”と問うのをやめ、“他者のために何者になれるか?”と自問するようになったと思います。それはまさにアンドレがやったことです。正しいこと、大義のために戦ったのです。私の演技のすべては、アンドレを讃えるためのものでした。」
アンドレ役のチャンス・パードモは、2024年3月、シーズン2の撮影準備に向かう道中、バイク事故により27歳の若さで急逝した。シーズン2は彼を単独エピソードで追悼するのではなく、全体を通してアンドレの精神を物語に織り込んでいる。
「チャンスは私にとってかけがえのない友人で、この世で出会えるなかで最も素晴らしい人間でした」とブローウェイ。エマのアンドレに対する想いと、自身のパードモに対する想いに重なる部分があったようだ。「彼女の新たな自信は、純粋にアンドレが彼女を信じてくれたことからきています。まさにチャンスが私を信じてくれたように。そこには多くの共通点がありました」。
エマはアンドレの正義の精神を継ぎ、彼の父・ポラリティと協力してシーズン2の重要な軸となる“オデッサ計画”に迫っていく。ブロードウェイは二人の関係性について「正反対だからこそ機能する」と語り、さらに「互いを癒し合っている」とも話す。
ちなみに二人がアーカイブを探るシーンは、脚本改稿前は本来パードモとの共演になる予定だったという。最終的にポララリティ役のショーン・パトリック・トーマスとの共演になったことを「本当に光栄でした」と振り返っている。
「ジェン・ブイ」シーズン2はPrime Videoにて配信中。毎週水曜日に新エピソード更新予定。
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Source:The Hollywood Reporter