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【コラム】『ゴーストバスターズ』を観たら「ストレンジャー・シングス」シーズン2第2章がすごく楽しい

「ストレンジャー・シングス」
https://youtu.be/Xh3zD5CB_-Q

1984年公開のSFコメディ映画『ゴーストバスターズ』を観た方にオススメしたい作品がある。ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016-)だ。

とはいえ、社会現象を巻き起こしたあの「ストレンジャー・シングス」だから、鑑賞済みの方も多いと思うので、もう少しだけ要点を絞りたい。『ゴーストバスターズ』を観てホヤホヤの方に特にオススメしたい「ストレンジャー・シングス」のエピソードがある。シーズン2の第2章、『変わり者たちのハロウィン』だ。

このエピソードではタイトルの通り、ハロウィンの1夜が舞台となっており、主人公の少年たち、ウィル、マイク、ダスティン、ルーカスの4人が地元を仮装姿で歩き回る。そのために彼らが選んだのが、映画『ゴーストバスターズ』に登場するヒーローたち……いやいや、ゴースト退治専門の科学者たちが着用する(ワークマンで売っていそうな)カーキ色のつなぎ服だ。彼らは、ゴーストを捕獲し閉じ込めるためのお手製プロトンパックを背負い、夜の町に繰り出す。

『ゴーストバスターズ』鑑賞後に本エピソードを観ると、すごく楽しいのだ。本日2022年2月4日よりシリーズ最新作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』も公開されるということで、『変わり者たちのハロウィン』を少しばかり紹介しよう。

子どもたちのハマり具合から、当時の熱狂に思いを馳せる

「ストレンジャー・シングス」シーズン2の物語は1984年10月下旬に始まる。アメリカで『ゴーストバスターズ』が公開されたのは同年6月だから、封切り5ヶ月後だ。今で言う“バズリ”を起こした『ゴーストバスターズ』旋風は、都会とは言えないホーキンスにもしっかり届いていたみたい。

当時のアメリカの子供たちは、ゴーストバスターズのコスプレをするだけでは満足いかず、メンバーの役割分担まではっきりさせたがったのだろう。「誰を呼ぶ?(Who You Gonna Call?)」「ゴーストバスターズ!(Ghostbusters!)」の掛け声で盛り上がる「ストレンジャー・シングス」の少年たちも、各々が仮装したいと思うキャラクターのワッペンを胸に縫い付け、その名でお互いを呼び合っている。

しかし、ここで“ちっちゃな”ケンカが勃発。ウィルはハロルド・レイミスが演じたイゴン・スペングラー博士役、ダスティンはダン・エイクロイドが演じたレイモンド・スタンツ博士役で落ち着いたようなのだが、マイクとルーカスがビル・マーレイ演じるピーター・ベンクマン博士を取り合っているのだ。ウィルとハグして盛り上がるルーカスに「ちょっと、待ってよ」とマイク。「何で君がベンクマンなんだ?」「君はウィンストンじゃないか」と言われたルーカスは「僕は同意してなんかない。誰もウィンストンになんかなりたくないよ」と反撃する。

ウィンストンが嫌な理由を問われると、「新顔で面白くないし、科学者でもない」とルーカス。マイクの方もどうしてもベンクマン博士が良いのだろう、ルーカスに「カッコいいじゃないか」と全力で勧めるも、「じゃあ、君がやりなよ」と返され、「僕はできないよ……だって…」とドモッてしまう。さらには「だ、だ、だ、だって……君は黒人じゃないから?」とルーカスに痛い所をツかれてしまう。このやり取りが、かぁぁいんです。

このような姿を眺めていると『ゴーストバスターズ』の当時の熱狂に思いを馳せることができる。キャラクター分担をすると言うと、80年代の日本ではスーパー戦隊みたいなものだったろうか、いずれにしてもゴーストバスターズの子ども人気は凄まじかったのだろう。結局、マイクもルーカスも最後までベンクマン博士のワッペンを胸につけたままだったから、ウィルが言った「ベンクマンが2人」で落着したようだが……。それにしても、ただただウィンストンが可愛そう。

ゴーストバスターズが大好きな子どもたち、イジられる

大人気シットコム「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」(2007-2019)のオタクたちも大好きな『ゴーストバスターズ』。映画では間抜けだけど勇猛果敢なゴーストバスターズの姿が描かれているが、彼らを好きになる当時のファンは、周りからからかわれてしまいがちだったのだろうか。「ストレンジャー・シングス」の子どもたちは少なくともそうであるし、制作側の“愛のあるイジり”を感じられる場面が幾つかある。

誰もコスプレしていない学校に足を踏み入れたマイクたち。通り過ぎる生徒たちから冷ややかな視線を向けられ、「誰を呼ぶ?ゴー、ナード!(行け、オタクども)」とイジられる。

学校からの帰り道、一本道を『E.T.』バイクに乗って進んでいた少年たちは、“マッドマックス”という登録名でアーケードゲームの新記録を打ち立てたマックスの乗る、インターセプターさながらの爆速車にはねられそうになる。『ゴーストバスターズ』好きなマイクたちと、『マッドマックス』に憧れているに違いないマックスの兄ビリーは、のび太とジャイアンのようだ。

さらにハロウィンの夜、お菓子集めに一区切りをつけた4人が道を歩いていると、『ハロウィン』に出てくる殺人鬼マイク・マイヤーズ/ブギーマンの姿をした仮装者の急襲を受ける。“マッドマックス”2度目の登場、その正体はマイクたちをハネそうになった爆速車に乗っていたマックスだったのだが、突然のブギーマンに少年たちは大ビビリ。さっきはあれほど強気だったルーカスは「ギャーーーー」と、絶叫クイーンに負けぬほどの金切り声を出し、マックスからは「女の子の声みたい」と笑われてしまう。

また、「ゴーストバスターズ」の格好をした4人は、元気いっぱいに「トリック・オア・トリート!」と言って近所のドアのベルを鳴らす。玄関から出てきた女性は「かわいい害虫駆除業者さん」と一言。『ゴーストバスターズ』を知らない人にとっては“害虫駆除の人”にしか映らない、という別の角度からのイジりも登場する。(少年たちは大萎えだ。)ちなみに、ベンクマン博士は自分で自分たちのことを「ゴキブリ駆除業者」と名乗っていた。

スピンオフ感覚で楽しめる

ここまで劇中に見られる『ゴーストバスターズ』ネタをメインにお伝えしてきたが、本エピソード『変わり者たちのハロウィン』は、何だか『ゴーストバスターズ』のスピンオフ作品に見えてくる。

ラストシーンは、帰宅したダスティンが「ドンッ、ドンッ」と不気味な音のするゴミ箱に向けてレーザーを構えるところで終わるのだが、その後に流れるのは『ゴーストバスターズ』の主題歌でおなじみ、レイ・パーカー・ジュニアの「Ghostbusters」だ。エンドロールにこの曲がかかるだけで『ゴーストバスターズ』感が一気に出る。

さらに注目は、マイク役を演じているフィン・ウルフハードだ。実はフィン、『ゴーストバスターズ』シリーズの最新作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』のメインキャストに起用されている。フィンが演じるのは、イゴン・スペングラー博士の孫トレヴァーという役。ゴーストバスターズが大好きなマイクを演じるフィンが、今度はゴーストバスターズの孫という、なんとも胸アツなキャスティングなのだ。しかし、この回を観た後だと、トレヴァーがマイクにしか見えない。

ゴーストバスターズ/アフターライフ
Trevor (Finn Wolfhard), Phoebe (Mckenna Grace) and Podcast (Logan Kim) in Columbia Pictures’ GHOSTBUSTERS: AFTERLIFE.

ともあれ、これだけ『ゴーストバスターズ』への愛を込めた「ストレンジャー・シングス」。実は『変わり者たちのハロウィン』は、『ゴーストバスターズ』側も公認のエピソードだ。これを手掛けた監督のマット&ロス・ダファー兄弟は、『ゴーストバスターズ』シリーズの監督を務めたアイヴァン・ライトマンに許可を取った時のやり取りをこう振り返っている。

「僕たちはアイヴァン・ライトマンに電話をかけました。彼とダン・エイクロイドの許可が必要だったので。ライトマン監督は、すごく光栄だとおっしゃっていました。脚本も読んでいただいて。少なくともシーズン1を観てくださっていたみたいで──観ているフリだったのかもしれないですけど──、作品に関われることには嬉しそうでしたよ。撮影が終わった時にはゴーストバスターズのおもちゃを送ってくださりました。この映画は僕たちが持っているVHSテープの中で、一番すり減っている5本に入ります。」

ところで、これは本当の話だが、『ゴーストバスターズ』は公開から約1年後の1985年夏にアメリカで大規模な再上映が行われている。この時期はちょうどシーズン3のマイク達と重なるが、1年経って心も身体も大きくなった彼らが『ゴーストバスターズ』の再上映に行っていたのかは気になるところ。あ、でもシーズン3の第1章で、マイク達は『死霊のえじき』に夢中になっていたな……。

新作『アフターライフ』情報はこちらで

Source: Entertainment Weekly

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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