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シャマラン監督最新作『ミスター・ガラス』は続編なし? 『アンブレイカブル』『スプリット』の“その後”描く

ミスター・ガラス
©Universal Pictures All rights reserved.

映画『シックス・センス』(1999)のM.ナイト・シャマラン監督による、『アンブレイカブル』(2000)と『スプリット』(2016)の“その後”を描く最新作『ミスター・ガラス』の続編は製作されないかもしれない。監督自らが米Digital Spyのインタビューで語った。

『ミスター・ガラス』には、『アンブレイカブル』の主人公で不死身の肉体を持つデヴィッド・ダン役のブルース・ウィリスと、生涯で94回骨折した壊れやすい身体を持つ“ミスター・ガラス”役のサミュエル・L・ジャクソン、『スプリット』で24の人格を持つ多重人格者“ケヴィン”を演じたジェームズ・マカヴォイが続投。初めての本格クロスオーバーが実現する。

シャマラン監督、作り手としてのスタンス語る

現在のハリウッドでは、『アベンジャーズ』シリーズなどで知られるマーベル・シネマティック・ユニバースをはじめ、複数の映画が世界観を共有する“ユニバース構想”がひとつのトレンドとなりつつある。シャマラン監督もその波に乗り、今後『ミスター・ガラス』ユニバースを次々と展開していくことになるのか……。しかし監督は、続編の製作をひとまず否定している。

僕は物事を繰り返したくはないですし、自分に都合のいいように動きたくはないんです。観客とはそういう関係でもありませんし、そうなりたいとも望みません。僕の願いは、毎回オリジナルのスリラーを観られるんだとわかってもらうこと。そういう感覚なので、今は(続編は)“ない”ということになりますね。」

ここで語られているのは、ハリウッドのトレンドからひとまず距離を取るという、シャマラン監督のクリエイターとしてのスタンスだ。多くの作品でオリジナルの脚本にこだわってきた監督は、続編やユニバース構想によって自分自身を縛ることを避けようとしているのだろう。「自分に都合のいいように動きたくない」という姿勢からは、トレンドに安易に乗らないというプライドも感じられる。

そもそもシャマラン監督は、『シックス・センス』で斬新なスリラー映画の作り手として高く評価され、ある意味でトレンドの先駆けとなった人物だ。しかし、それゆえに苦しい時期を送っていたこともまた事実である。またハリウッドでコミック映画が主流になる以前から、彼は『アンブレイカブル』で“オリジナルのヒーロー映画”を生み出していた。トレンドやムーブメントに今から飛びつく理由はまったくないだろう。

ただし、あくまで監督は「今は」続編を作るつもりはないと述べている。映画ファンのほとんどは、まさか18年越しで『アンブレイカブル』の続編が観られるとは思わなかっただろう。もしかすると次はまた18年後に……もっともその頃、ブルース・ウィリスは81歳、サミュエル・L・ジャクソンは87歳、ジェームズ・マカヴォイは57歳なのだが。

ちなみにシャマラン監督は、『ミスター・ガラス』について「間違いなく一番難しい映画でした」とも語っている。「予算とスケジュールに対して、とても野心的な作品なんです。たくさんの人が関わっていて、登場人物の物語もたくさんあって」。いったい今度は、どんな内容でファンを楽しませてくれるのか。まずは映画の公開を楽しみに待ちたい。

『ミスター・ガラス』

3人の特殊な能力を持つ男が集められ“禁断の研究”が開始された。

不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、そして、非凡なIQと生涯で94回骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス…。精神科医のステイプルは、すべてが彼らの妄想であることを証明しようとする。彼らは人間を超える存在なのか?最後に明らかになる“驚愕の結末”とは?

映画『ミスター・ガラス』は2019年1月18日(金)より全国ロードショー

『ミスター・ガラス』公式サイト:http://Movies.co.jp/mr-glass

Source: Digital Spy

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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