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ハリウッド版『ゴジラ2』監督が新証言 ― 怪獣は「モンスターではなく神々」、東宝版に忠実に描く

GODZILLA ゴジラ
©Warner Bros. 写真:ゼータ イメージ

ハリウッド版映画『GODZILLA ゴジラ』(2014)の続編『ゴジラ2(邦題未定、原題:Godzilla: King of the Monsters)』を手がけるマイケル・ドハティ監督が、登場人物や怪獣たちについての新事実を明かした。

2018年7月、本作の米国版予告編が公開されるや、怪獣たちがかつてない切り口で語られていることがにわかに話題を呼んだ。特務研究機関モナーク(MONARCH)のエマ・ラッセル博士は、怪獣たちを「地球最初の公平な統治者」と呼び、変化によって滅亡へ向かう世界にとっては「生命を残す唯一の希望」だと説明したのである。エマ博士は彼らを“怪獣”でも“モンスター”でもなく、“タイタンズ(Titans)”と呼んだ。

このたび米Total Filmでは、『ゴジラ2』の製作にあたって、マイケル監督が東宝製作の怪獣映画に大きな敬意を捧げたことが語られている。「独立した映画を作りたい」という思いと同時に、日本の怪獣映画が描いてきた怪獣たちに忠実に、作品の持つ道徳性や、モスラを女神として描くことを重要視したというのだ。マイケル監督は自身のアイデアを東宝にプレゼンするために来日し、全面的な承認を受けている。

「僕には怪獣たちへの深い愛情があるんです。ただの巨大なモンスターではなく、彼らは古代の神々ですから。」

こうした発想が、予告編でも語られている「公平な統治者」や「希望」としての怪獣に直接繋がっていることは言うまでもないだろう。米国版キャッチコピーである「彼らの支配が始まる(THEIR REIGN BEGINS.)」という言葉の意味も少しずつわかってきた。

なおマイケル監督は、以前から「ラドンが大好き」だと熱く語ってきたことでも知られている。監督と怪獣映画の出会いは、その幼少期にまで遡るそうだ。

「僕が覚えている一番最初の記憶に、ゴジラの映画を観ている場面があるんです。母がベトナム人なんですが、ゴジラ映画やカンフー映画は、テレビでアジア人を見られる唯一の機会だった。ゴジラの存在は僕の人生にずっとあったんですよ。」

そんな監督自身の思い出や経験が強く反映されているとすれば、それはエマ博士の娘マディソンだろう。なぜなら、マディソンには“女神”モスラとの繋がりがあるというのである。

『ゴジラ2』は、特務研究機関モナーク(MONARCH)のエマ・ラッセル博士と娘のマディソンが、怪獣についての計画を有する謎の組織に誘拐されるところから始まる。エマの元夫であるマーク・ラッセルは、同じくモナークの芹沢猪四郎博士とヴィヴィアン・グレアム博士とともに二人の救出に臨むのだ。

エマ博士を演じるのは『死霊館』シリーズのヴェラ・ファーミガ、マディソン役にはドラマ「ストレンジャー・シングス」(2016-)のミリー・ボビー・ブラウンが起用された。研究者マーク・ラッセル役は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2016)のカイル・チャンドラーが演じるほか、芹沢猪四郎役で渡辺謙、ヴィヴィアン・グレアム博士役で『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のサリー・ホーキンスが前作から続投。さらに軍人役で『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015)のオシェア・ジャクソン・Jr.、謎の科学者役で中国人女優チャン・ツィイー、役柄は不明だがドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-)のチャールズ・ダンスも登場する。

映画『ゴジラ2(邦題未定、原題:Godzilla: King of the Monsters)』は2019年5月31日米国公開予定

Source: Total Film 2018 November

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。