『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』幻の巨大ワンカットシーンがあった ─ 「死にそうになったが、結局使われず」とドラックス役、『VOLUME 3』で反省活かして実現

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1作目(2014)には、お蔵入りになった幻の巨大アクションシーンが存在した。過酷な撮影を行ったものの、結局日の目を浴びなかったものだ。ドラックス役のデイヴ・バウティスタが振り返っている。
出演最新作『Afterburn(原題)』のため米Colliderのインタビューに応えたバウティスタは、「これまでのキャリアで最もキツかったシーン」について尋ねられると、「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の1作目ですね」と回答。次のように振り返った。
「とにかく大規模なアクションシーンで、ジェームズ(・ガン)がワンショットで撮りたがった。登場していたのは、確か50人くらいだったかな。巨大なアクションシーンだった。23テイクくらい撮ったと思います。すごく巨大で、カメラの動きも複雑だった。全員が完璧に合わせなくちゃいけなくて。
それで23テイクくらいかかった。みんな死にそうで、僕も死にそうでした。相手のスタントマンを殺してた。マジでボコボコに蹴りまくってた。10テイクくらいすると、彼が起き上がる動きがどんどん遅くなって、すごく申し訳なかった。それで23テイクも撮ったのに、結局使われなかったんですよね(笑)。」
ちなみにこのシーンについて、バウティスタは2024年にも別のインタビューで振り返っている。ここでは「100人くらい関わっているワンカットだった」と話しており、参加人数の記憶にはブレがあるようだが、「23テイク撮った」というのは同じだ。「カメラが動いていく中で、もし一人でも少しズレたらやり直さないといけない。23テイクもやって、全員疲れ果ててクタクタだった。でも、結局映画には使われなかった。とにかく疲れましたよ」。
大人数が登場するワンカットのアクションシーンとなれば、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の中でも大きな見せ場となり得ただけに、完成させられなかったジェームズ・ガン監督もさぞ悔しかったはずだ。一体、どんなシーンだったのか。
実はガン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)の際に米マーベル公式サイトにて“第1作の時に廊下での長いワンテイクのアクションシーンを求めていた”と明らかにしている。スタントコーディネーターと共に計画していたものの、実際の撮影では役者たちがこなすには複雑すぎたため断念したと述べられているのだ。
その撮影当日、バウティスタとクリス・プラットは「ジェームズ、こんなシーンがあるなんて聞いていませんよ」と困惑していたという。非常に複雑なシーンであるにも関わらず、役者たちはリハーサルもなくいきなり本番撮影に挑む段取りとなってしまったというのだ。
その反省を踏まえてようやく実現したのが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』における廊下でのワンカットシーン。ガン曰く、同シーンは「あの時の埋め合わせ」なのだといい、今度は何ヶ月も前から事前に綿密な計画を立てて撮影に挑んだという。
▼ 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の記事
陰鬱なダークヒーロー脱却は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』クリス・プラットのおかげだとグレン・パウエル ─ 「もっとおどけて軽快でいいんだ」 クリプラこそが転換点 【ネタバレ】『スーパーマン』おまけシーン解説 ─ なぜジェームズ・ガンはあの場面を選んだのか? その狙いとは? 『スーパーマン』は「マーベルからの解雇なくして作れなかった」とジェームズ・ガン ─ 「人に好かれるための創作をやめられた」 早くも7年前の出来事です 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ゾーイ・サルダナ、ジェームズ・ガン監督とDCUで再タッグなるか?「『スーパーマン』が待ちきれない」 話し合いはまだないそう ジェームズ・ガン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』雷神ソーの登場を拒否していた ─ 「あのキャラクターをよく知らないから」 何も聞いていなかった模様
Source:Collider