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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』出演者9名、ジェームズ・ガン監督への支持を表明する公開状を発表【全文和訳あり】

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
写真:ゼータ イメージ

2018年7月30日(米国時間)、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの出演者9名が、Twitterでの過去の不適切な発言によってディズニーから解雇された、ジェームズ・ガン監督への支持を表明する公開書簡を連名で発表した

ガン監督は2008~2011年ごろにかけてTwitter上に投稿していた小児性愛(ペドフィリア)や強姦などに関するジョークを理由として、2018年7月20日(米国時間)、新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』から解雇されていた。
背景に政治思想の対立があること、ディズニーが早急に解雇を決定したことなど、この件は第一報から一週間以上が経過してもなお盛んに議論が展開されている。本件の第一報以降、THE RIVERでは事態の進捗やシリーズ関係者の動きを随時ご紹介してきた。一連の流れは、こちらのページより各記事でご確認いただければ幸いである。

ジェームズ・ガン
ジェームズ・ガン監督 Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28557194032/

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』出演者の公開状

このたびガン監督を支持する公開書簡にサインしたのは、クリス・プラットゾーイ・サルダナデイヴ・バウティスタブラッドリー・クーパーヴィン・ディーゼルカレン・ギランポム・クレメンティーフショーン・ガンマイケル・ルーカーの9名だ。

ゾーイは自身のTwitterにて「よろしければ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』監督へのジェームズ・ガンの復職を支援する、出演者の執筆・署名した意見書をお読みください」と記し、今回の公開状を投稿している。

「ファンのみなさん、友人のみなさんへ。

私たちはジェームズ・ガンを全面的に支持します。私たちはみな、彼の突然の解雇に衝撃を受け、それから考え、祈り、聴き、議論するため、(本件に)反応するまで10日間待ちました。その間、ジェームズが『Vol.3』の監督に復職することを望むファンのみなさんやメディアの方々からの数多くの支援に励まされ、また、彼をとりまく多くの奇妙な陰謀説をいとも簡単に信じ込んでしまった方々に落胆させられました。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に出演していることを、私たちはそれぞれとても光栄に思ってきました。この瞬間を、ジェームズへの愛情や支持、感謝を表明せぬまま過ごしていくことはできません。私たちは数年前の彼のジョークを擁護するのではなく、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの制作において、撮影現場でともに味わった長年の体験を共有いたします。解雇された直後に彼が示した人柄は、撮影現場に毎日存在した彼の姿と同じものです。また現在、そして数年前に初めて発言を指摘された際の彼からの謝罪は、心からのものであったと私たちは信じます。私たちの全員が知り、信頼し、そして愛する彼の心からのものであったと。救済を求めるはみ出し者たちの物語を描くためにキャスティングされたことで、彼は私たちの人生を永遠に変えてくれました。私たちは、救済というテーマが今ほど現実につながっていることはないと確信しています。

私たちの一人ひとりが、将来、友人であるジェームズと再び仕事をすることを楽しみにしています。彼の物語は終わっていないのです ― 絶対に。

世論という法廷には、適正な手続きというものがほとんどありません。ジェームズが裁判を受ける最後の善人だとはいえないでしょう。この国で政治的分裂が広がっていることを考慮すれば、今回のような出来事が続くことは間違いありません。けれども私たちは、アメリカ人が政治的な立場を超えて誹謗中傷を和らげられること、人々の心理を武器に変えるのをやめられることを願っています。

私たちの望みは、(今回)起こったことが我々全員の手本として役立てられることです。私たちが知っておかなくてはならない大いなる責任を知るための、またデジタルの石に自分の言葉を彫りつける際、その使い方に注意を払うための手本として。私たちという社会は、この経験から学習することができますし、将来は自分の表現したいことを決める前に二度考えるようになるでしょう。そのように学習することによって、こうした能力は、お互いを傷つけるのではなく、助け、癒すことに活用できるかもしれません。私たちの言葉をお読みくださったことに感謝いたします。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
写真:ゼータ イメージ

公開状の発表に伴い、ゾーイ以外のメンバーもSNSへの投稿にあたってはそれぞれのコメントを付記している。
デイヴ・バウティスタは「#IStandWithJamesGunn(ジェームズ・ガンを支持します) #RehireJamesGunn(ジェームズ・ガンの再雇用を) #WeAreGroot」、カレン・ギランは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーからのご挨拶です #WeAreGroot」、ヴィン・ディーゼルは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーより…We are Groot!」と記し、同じくショーン・ガンも「#wearegroot」のハッシュタグを付けた。クリス・プラットマイケル・ルーカーポム・クレメンティーフは、それぞれ共通の文言として以下の文章を掲載している。

「私はジェームズ・ガンによる数年前の不適切なツイートを支持しませんが、彼は善良な人間です。個人的に、彼が『Vol.3』の監督に復職するのを見たいと思います。よろしければ、私たち出演者全員の署名した意見書をお読みください。」

このたび発表された公開状の文面には、ガン監督の再雇用をディズニーに強く求めるような内容は直接的に記されていない。ただし出演者のそれぞれは互いの連帯を示しており、その多くはガン監督の再雇用を望む文章をSNSに投稿しているのだ。

ガン監督の解雇を発表した時、こうした状況に発展することをディズニー側は想像していただろうか。再雇用を求める署名運動への参加者は34万人を突破し(7月31日5時現在)、出演者が連名で意見書を発表するという異例の事態にディズニーは反応を示すのか否か。おそらく第一報以来、最も注目すべきはこの次の動きであろう。
なおマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、現在に至るまでコメントなどを一切発表していない。ガン監督と連携してマーベル・シネマティック・ユニバースの今後を計画していたファイギ社長は、今いかなる思いを秘めているのか……。

Sources: Zoe Saldana, Dave Bautista, Karen Gillan, Vin Diesel, Sean Gunn, Chris Pratt, Michael Rooker, Pom Klementieff
写真:ゼータ イメージ

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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