Menu
(0)

Search

【マジかよ】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』冒頭の○○、ほとんどCGを使っていなかった

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、おそらくユニバース史上もっとも潤沢にCGを駆使した作品ではないだろうか。2014年公開の第1作と比較しても、その“CGの大盤振る舞い”ぶり、「これどうやって撮ったんだよ……」感には大きな差がある。“人間以外すべてCG”だと思われるシーンも決して少なくはないのである。

しかし今回、その冒頭シーンで「どう見てもCG」だと思われていたものが実はCGではなかったことが判明した。

【注意】

この記事には、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の軽微なネタバレが含まれていますが、観賞前にお読みいただいても問題ございません。

問題の冒頭シーン

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は1980年、アメリカのミズーリ州にて幕を開ける。登場するのはピーター・クイル(クリス・プラット)の母親メレディス・クイルとその恋人、ピーターの父親になる男エゴ(カート・ラッセル)だ。1980年代、『ニューヨーク1997』『遊星からの物体X』などのジョン・カーペンター作品に出演していた頃そのままのカート・ラッセルの姿に驚かされる。

もっとも俳優の年齢を操ってみせることは、いわばMCUの“お家芸”とすらいっていい。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ではロバート・ダウニー・Jr.が、『アントマン』ではマイケル・ダグラスが若返っているし、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』などでペギー・カーター役のヘイリー・アトウェルは実年齢のおよそ倍にも老けている。

ただし今回がその“例外”となるのは、カート・ラッセルにほぼCGが使われなかったことだ。映画情報サイト「CinemaBlend」のインタビューで、ラッセルは本作の冒頭に登場する“1980年の自分”がほとんどCGでないことを明言している。

「メイク担当のスゴいヤツがいてね、28本の映画を一緒にやってるんだ。彼が自分だけの技術を含めて、あらゆるやり方でメイクしてくれたんだよ。だから(1980年のシーンは)90%がメイクで、ほとんど(デジタルでは)作業されてない。[中略]あとは明るい声を出して、身体的にも元気を出して演じたら、若い演技になるんだよ」

ここでラッセルが言及している“メイク担当のスゴいヤツ”とは、1989年公開『デッドフォール』以来ラッセルお抱えのメイクとなっているデニス・レジャーのことである。さすがに100%メイクというわけにはいかなかったようだが、それでもあの若返りがほとんどメイクだけで実現するとは、現代のメイクアップ技術はCG以上にスゴいことになっているのかもしれない。もちろん、身体と声を操ることで37年前の演技に近づけたラッセルの技術も凄まじいものがあるだろう。

思えば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、そのド派手な映像やアクション演出に対して、きちんと映画としてのキモを“ストーリー”と“演技”に置いていることが印象的な作品だ。「ベタな話」とも形容されかねないシンプルかつストレートな物語に、極めて丁寧な演技が大きな説得力を与えることを証明する映画だといってもいいだろう。1980年代のカート・ラッセルをはじめ、観客が気づかないような細部のあちこちに、そうした“アナログ”なアプローチが隠されているのかもしれない。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は現在公開中

Source: http://www.cinemablend.com/news/1655859/how-guardians-of-the-galaxy-vol-2-pulled-off-that-kurt-russell-scene-without-cgi
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/Guardians-Galaxy-Vol-Original-Score/dp/B06ZXXBQ55/

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly