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ウェズリー・スナイプス版『ブレイド』監督、MCU版への参加を否定 ─ 「僕は決定版を作った、復帰は間違い」

ブレイド
SUPPLIED BY GLOBE PHOTOS INC 写真:ゼータ・イメージ

ウェズリー・スナイプス版『ブレイド』3部作を手がけた映画監督・脚本家のデヴィッド・S・ゴイヤーが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版『ブレイド』への関与に否定的な姿勢を示した。

MCU版『ブレイド』は、2019年の夏にマハーシャラ・アリ主演で製作が発表されたものの、現在までに監督の降板が相次ぎ、企画の見直しが続いており、本格始動の目処が立っていない。主演のアリも『ジュラシック・ワールド/復活の大地』に出演したほか、今後は『ブレイド』に就任していた前監督との別企画に参加予定だ。

スナイプス版『ブレイド』の第1作・第2作で脚本を執筆し、第3作では監督・脚本を兼任したゴイヤーは、ハリウッド有数の“ブレイドを知り尽くす男”。ポッドキャスト「Happy Sad Confused」では、「SNSを見ていると、“ゴイヤーに『ブレイド』の新作をやらせるべきだ”という声をしょっちゅう見ます」と語った。

「うれしい気持ちが半分、“僕は『ブレイド』の決定版を作ったからなあ”という気持ちがもう半分。(復帰は)間違いでしょう。」

振り返るのは、DC映画『ダークナイト』3部作の脚本に参加したあと、クリストファー・ノーラン監督から、ベン・アフレック版に関わらないようアドバイスを受けた過去だ。「混乱してしまうから、と。一度やったんだから、そこにこだわるべきだと言われました」。のちにゴイヤーは『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)に携わったが、この流れで語られている以上、その自己評価は推して知るべきだろう。

MCU版『ブレイド』が事実上の中断状態となったことについて、ゴイヤーは先日、オファーを受ければ脚本を書くことにも前向きな姿勢を示していた。しかし、今回のコメントは復帰をほぼ否定するものだ。

ホストのジョシュ・ホロウィッツが「なぜ実現できないのかわからない」と言えば、ゴイヤーも「私にもわかりません」と答えた。

「『ブレイド』は比較的シンプルな物語で、複雑ではありません。こういう映画の場合は、前提を絞り込んでおく必要があります。『ブレイド』だからすごいアクションがあるとか、ちゃんと怖い映画にするとか、もしかするとR指定になるかもとか。複雑にせず、シンプルな物語にすべきなんです。だからこそ、苦労しているようだけれどその理由がわからない。傍観者として困惑しています。」

ホロウィッツは、『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)にスナイプス版ブレイドが登場して人気を博したことが、むしろアリ版ブレイドの実現を難しくしたのではないかと仮説を述べた。これにはゴイヤーも、「あれは良かったと思うけど、混乱もしますよね」と同意する。「あれは、“新作はまだ無理”という証明にしかならなかったかもしれません。私は関わっていないので、実際のところはわかりませんが」。

MCU版『ブレイド』の制作時期・公開スケジュールは不明。アリ演じるブレイドの登場予定も現時点では発表されていない。

Source: Happy Sad Confused

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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