ディズニー解雇DC移籍時のジェームズ・ガン、マーベルのケヴィン・ファイギに相談に行ったが『スター・ウォーズ』フィギュア自慢話が始まる

マーベル・スタジオで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズを大成功に導き、今やDCスタジオの代表として新シリーズを統括する最重要人ジェームズ・ガン。その試金石となる『スーパーマン』がいよいよ日米同時公開を迎えたところだ。
ガンといえば、過去の不適切なツイート(現X)が掘り起こされ、一時ディズニー/マーベル・スタジオから解雇を受ける。その間にワーナー・ブラザースから声がかかり、ライバルと言えるDCで『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)をリリース。一方でガンの再雇用を求める運動が高まると、ディズニーは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)のため呼び戻す展開に。その後、ガンはDCスタジオ設立代表に任命されたため、マーベル・スタジオを離れることとなっている。
図らずしてマーベルとDCを行き来することとなったガンだが、両スタジオで揺れ動く最中にマーベルやディズニーと交わした興味深い会話や思いを米ポッドキャストで明かしている。
ガンが最初にディズニーから解雇されてしまった時、マーベル・スタジオ代表のケヴィン・ファイギが復帰のために裏で闘っていたそうだ。そこに、当時のワーナー・ブラザース会長トビー・エメリッヒが現れ、ジェームズ・ガン版『スーパーマン』企画を持ちかけたという。まだヘンリー・カヴィル版スーパーマンが活きていた時期だ。
これにガンが「いやぁ、どうでしょう」と決めかねていると、「では『スーサイド・スクワッド』はどう?」と代替案が出された。そこでガンは『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のアイデアを考えてプレゼンすると、エメリッヒに採択されて製作が決定したという。
運命的なのはそのプレゼン当日だ。帰宅すると電話が入っており、相手はなんとディズニー会長のアラン・ホルンだった。「ジェームズ、明日会えないか」。
翌日、ガンはホルンと面談し、そこで再雇用を持ちかけられたという。ガンは一旦「ケヴィン・ファイギと話してみます」と持ち帰り、ファイギ邸を尋ねた。

ファイギといえばコミックのスーパーオタクで、『スター・ウォーズ』の大ファンでもある。この日は板挟みとなったガンの進退についての重要な話し合いとなるべきだったが、そこでのファイギの様子がなんとも彼らしい。
「彼の地下室に行くと、スター・ウォーズのフィギュアがちょっとした博物館みたいに飾られていて、“これすごいでしょ、これ良いよね、これが欲しかったんだよ”と言っていました。そこで僕は“うん、すごいですけど、先に話さないといけないことが……”と。」
『スター・ウォーズ』のコレクション話に逃げ、なかなか本題が出ない。ようやくファイギが、気落ちした調子で切り出したという。「あぁ……、『スーパーマン』をやるんだって……?」
なんと、ジェームズ・ガン版スーパーマンのウワサはファイギの耳にも届いていたようだ。ガンが「いえ、『スーサイド・スクワッド』の続編をやることになりました」と打ち明けると、「そうですか」とファイギ。「大丈夫ですよ、やってください。『ガーディアンズ』はその後で」。
その後、無事に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』を送り届け、マーベルでの仕事を最後としたガン。競合先であるDCへ移籍することにジレンマはあったかと尋ねられると、「いいえ、ありませんでした。だって、僕はクビになったんですから!」と答えている。
「ディズニーには不満を抱えている人たちもいるけど、マーベルにはいません。マーベルは完全に協力的でした。ルイス・デスポジート(プロデューサー)なんて、ずっと連絡をくれていました。ルイとケヴィンは素晴らしいですよ。」
改めて「罪悪感は全くありませんでした。僕だって仕事が必要だったから!」と、DCでの仕事に胸を張るガン。「同じように大好きな人たちからの仕事を引き受けた、それだけです」。
ジェームズ・ガン率いるDCユニバース映画第1弾『スーパーマン』は現在公開中だ。
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Source:Armchair Expert with Dax Shepard