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ディズニーがマーベルに「大きなダメージを与えた」とジェームズ・ガン ─ 「映画業界衰退の最大の理由は、脚本なき映画製作だ」

マーベル

ディズニーの方針ミスが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に「大きなダメージを与えた」──こう語るのは、かつて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズを手がけたジェームズ・ガン監督だ。現在はDCスタジオの共同会長兼CEOとして、新DCユニバースの舵を握っている。

米Rolling Stoneの取材にて、インタビュアーが「マーベルは過去数年間、作品をリリースしすぎたという失敗を公に認めていますね」と語ると、ガンはマーベルとディズニーの関係に言及。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの製作総指揮を務め、長年にわたりマーベル・スタジオの幹部職を担ってきたルイス・デスポジートからも「個人的にそう聞いています」と語った。

ただし、ガンはマーベル・スタジオ単独の失敗ではないと見ている。「本当に彼らの失敗だったかどうかはわからない」と言い、親会社であるディズニーの指示があったことを踏まえて、「公平ではなかったし、正しくもなかった。それが彼らに大きなダメージを与えたんです」と話した。

これはウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・アイガーCEOも認めていることだ。ディズニープラスのコンテンツ充実を図り、「マーベルを含むクリエイティブ・エンジンに目を向け、より多くのコンテンツを制作させた」「量が必ずしも質を生むわけではないと、我々は時間をかけて学んできました。多く作りすぎたことで焦点を失ってしまったと、我々全員が認めています」と反省の弁を述べていたのである。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル」をディズニープラスのために制作し、一連の状況にも部分的に関与していたガンは、「すべてのプロジェクトを幸運なものとして扱わなければいけません」と強調する。幸い、DCスタジオはワーナー・ブラザースから毎年決まった本数をリリースするよう指示を受けてはいないそうだ。

現在、ガンは「映画業界が衰退している理由は、人々が映画を観たくないからでも、家庭のスクリーンがとても良くなったからでもない」と見ている。「最大の理由は、脚本が完成しないまま映画を作っていることです」。

DCスタジオでは、ガンが満足しない脚本にはゴーサインを出さない方針だ。最近も、準備は整っていたものの脚本が不十分だったために「ある企画を中止した」と認めた。「我々は最高品質だと思えるものだけをリリースします。なかには良くない作品もあるでしょうが、平均的にはできる限り最高品質を目指しているのです」。

Source: Rolling Stone

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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