『スーパーマン』ホームラン級ヒットへのプレッシャー、「僕は二塁打でもいい」とジェームズ・ガン ─ 『アイアンマン』『アバター』を振り返って

来たるDC映画『スーパーマン』は、満を持して登場する新DCユニバースの映画第1弾。長期計画があるというユニバースとDCスタジオの命運を握る超重要な一本だ──などと書かれることを、監督でありDCスタジオ代表のジェームズ・ガンは快く思っていないようだ。
米Rolling Stoneの取材にて、ガンは『スーパーマン』におけるビジネス上のプレッシャーを問われると、「正直に言うと、“それは僕の問題じゃない”としか思わない」と応じた。「僕にとっての真実は、これがDCスタジオ初の映画だということ。“ホームラン級の大ヒットしかありえない”と言う人もいるかもしれませんが、僕としては二塁打でも十分満足です」。
振り返るのは、マーベル・シネマティック・ユニバースの開幕作となった『アイアンマン』(2008)と、いまや一大サーガとなったジェームズ・キャメロン監督『アバター』(2009)だ。
「『アイアンマン』も『アバター』もそれ自体がすべてではありませんでした。僕たちが作っているのはパズルのピースであり、パズルそのものではないのです。僕たちには『ピースメイカー』や『スーパーガール』もある。ただ人々に愛される、キャラクターとのつながりを感じてもらえる映画を作りたいと思っています。」
ガンが強調するのは、『スーパーマン』は「あくまでも一本の映画であり、これがすべてではない」という姿勢だ。「問題ばかりをあれこれ書いて、“ジェームズ・ガンと『スーパーマン』にとってはさらなるプレッシャーだ”などというクソみたいな記事は嫌い」とさえ言う。
「僕にそれら全部の責任はありません。責任があるのは自分の担当部分だけ。だから予算は回収しなければいけませんが、それができれば十分です。」
この姿勢を支えるのが、DCスタジオの会長・CEO職をピーター・サフランと2人で分け合っている体制だ。DC映画では『アクアマン』『シャザム!』シリーズに関わったほか、『死霊館』シリーズをヒットに導いており、ガンとも四半世紀にわたる関係がある。スタジオの責任者としては、クリエイティブを担うのがガン、ビジネスを担うのがサフランということだろう。
なお先日の予測では、『スーパーマン』は公開直後の週末で1億4,000万〜8,500万ドル、最終的な米国興収は3億7,000万〜5億1,000万ドルとみられている。『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』や『ジュラシック・ワールド/復活の大地』をしのぐ今夏最高のヒット作となることが期待されているわけだが、その真価はいかに。
映画『スーパーマン』は2025年7月11日(金)日米同時公開。
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Source: Rolling Stone