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『ゴジラvsコング』監督、東宝版『キングコング対ゴジラ』超えを宣言 ─ 『バットマン vs スーパーマン』にも通じる「対決の問題」とは

ゴジラvsコング
© 2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

ゴジラとキングコングが、ハリウッド発の大作映画で因縁の再戦。モンスターバース最新作『ゴジラvsコング』の公開が近づく中、監督のアダム・ウィンガード監督は、オリジナル版といえる東宝映画『キングコング対ゴジラ』(1962)には「ひとつの問題」があったと指摘している。堂々の“オリジナル超え”宣言と受け取れるコメントからは、並々ならぬ気合いが感じ取れるというものだ。

『ゴジラvsコング』は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)の続編であり、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)から繋がる物語。「大の続編映画好き」を自認するウィンガード監督は、“続編もの”の魅力を「誰かが作ったものを受け入れながら、変化させ拡大していける」ことだと米Colliderにて述べている。本作を手がけるうえで、監督はモンスターバースの過去作品を踏まえ、とある結論に至っていたようだ。

一番大切なことは、この映画を正統な続編だと感じてもらえること。ゴジラとキングコングの正統な対決だと思ってもらえることです。キングコングは前作から年を取っているので、少しだけ変わっているんですけどね。」

この言葉に続いて、ウィンガードは「僕はオリジナル版『キングコング対ゴジラ』が抱えていた問題にまで到達したい」と豪語している。すなわち監督が指摘している“オリジナル版の問題”とは、ゴジラとキングコングの対決がどこか正統なものには思えないということなのだ。

「(『キングコング対ゴジラ』では)ゴジラの方はきちんと出来上がっていて、見た目も過去の作品とほぼ同じ。だけどキングコングの方は、東宝が初めて作った、新しいキングコングです。見た目もちょっと変だし、言ってしまえばストップモーションでもない。だから新しいキャラクター、新しい解釈のように感じられてしまいます。変な話、“これこそキングコングとゴジラの対決だ”とは思えないんですよね。“ゴジラはゴジラだけど、キングコングは別のバージョンじゃないの”って。」

さらに監督は、あえてDC映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)にもよく似た問題があったと指摘する。「これは僕の意見にすぎませんが、あの映画の問題は新しいバットマンだったこと」だと言っているのだ。「ベン・アフレックがバットマン役だけれども、それ以前にはクリスチャン・ベールというバットマンの決定版がいるわけで、バットマン対スーパーマンをやりながら、同時にバットマンをやり直している感じがする」「これぞ究極の対決だという感じがしない」。

すなわちウィンガードが宣言しているのは、こうした課題の克服による“オリジナル超え”なのである。『ゴジラvsコング』の製作にあたり、レジェンダリー・ピクチャーズからはゴジラを再解釈すること、再び変更することも許されたが、あくまでもウィンガードは「ここ数作品と同じゴジラだ、『髑髏島の巨神』のキングコングだと感じてもらえること、そして彼らがいよいよ激突するんだと思ってもらえること」にこだわったという。「我らが伝説のゴジラは、キングコングとどんな戦いを見せてくれるのか。ですから、何かを変えたり、違うことをしたりするのはよそうと思いました」。

映画『ゴジラvsコング』は2021年5月14日(金)に全国公開予定。

Source: Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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