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『アベンジャーズ』マーベル怒涛の展開、観客を飽きさせない戦略とは ─ 「ワンダヴィジョン」世界で最も注目されたテレビ番組に

ワンダヴィジョンキャプション  『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel
(L -R): Paul Bettany as VIsion and Elizabeth Olsen as Wanda Maximoff in Marvel Studios' WANDAVISION exclusively on Disney+. Photo courtesy of Marvel Studios. ©Marvel Studios 2020. All Rights Reserved.

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を経て、もっと言えばコロナ禍の苦境をしのぎながら、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は新たな境地に歩みを進めた。『ブラック・ウィドウ』などが公開を控える映画作品だけでなく、「ワンダヴィジョン」「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」などのドラマシリーズを並行してリリースする作戦に出たのだ。

もともと作品数の多かったMCUは、映画・ドラマの同時展開によってさらなるボリュームアップを実現する。しかし、このハイペースを前にして、作り手は“飽きられてしまうこと”への心配や恐怖心を抱いてはいないのだろうか? 仕掛け人であるマーベル・スタジオ/ディズニーの幹部たちが、それぞれの胸中を明かした。

Deadline「マーベルに入って最初の数年間はそれに近い心配をしていました」と語ったのは、MCUの総支配人というべきケヴィン・ファイギ社長だ。「いろんなスタジオが権利を持っていたので、1年間にいくつものマーベル映画が公開されていましたから。ひと夏に3作品、ということもありました」。当時のファイギ社長が考えたのは、そうした状況下で、“いかにして続けるのか、いかにして生き残るのか”ということだったという。

「当時の私には何をどうすることもできませんでしたが、その時に出した答えは、“できるだけ新しいものを、できるだけユニークに、キャラクターをクロスオーバーさせながら、マーベルのロゴを前面に押し出す”ということ。それぞれがユニークで面白い物語なら、流行に遅れることはありません。面白く、しかもユニークなものを自宅で見ていたら、いずれ映画館に戻ってくる。それが私たちの解決策であり、学び方であり、成長法です。ストーリーテラーとして(映画・ドラマという)フォーマットを活かし、面白くて新しい物語を描くのが我々の仕事。それらがたまたま80年にわたるマーベル・コミックスの素晴らしい物語に基づいていて、ありとあらゆるジャンルに展開できる、ということなんです。」

マーベル・スタジオ初のドラマシリーズとなった「ワンダヴィジョン」は、まさしくこの言葉を象徴する一作となった。モノクロのシットコムに始まり、作品は奇妙だが圧倒的な変化・進化を遂げていったのだ。ファイギ社長は同作を「完全に唯一無二」のシリーズだといい、フェイズ4の映画・ドラマでは同じ取り組みを続けているとも述べている。

実際に「ワンダヴィジョン」はビジネス的にも驚くべき成果を挙げた。米Varietyによると、「ワンダヴィジョン」はNetflixドラマ「ブリジャートン家」(2020-)を抜き、2021年1月の米国視聴者数でトップの成績を記録。米Forbesでは、第5話「問題エピソード」から“世界で最も注目されるテレビ番組”に躍り出たと報じられている。しかも調査によると、週ごとに新規エピソードが配信される「ワンダヴィジョン」や「マンダロリアン」(2019-)は、全話一挙配信のシリーズとは異なり、作品の需要が週を追って高まる傾向にあるという。飽きられるどころか、むしろ多くの視聴者を惹きつけたのだ。

ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・チャペックCEOは、「ワンダヴィジョン」の人気ぶりを踏まえ、カンファレンス・イベントにて「(マーベル作品が)飽きられるかどうかは数字が証明してくれる」話した。「マーベルとルーカスフィルムは同じ状況にあります。両社を買収して以来、平均すると映画1本あたり10億ドル以上を売り上げていることになる。統計を取ればよくわかることです」。

まだまだ躍進を続けるマーベル・シネマティック・ユニバース、果たして「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ではどんな新しさ、面白さ、ユニークさを見せつけてくれるのか。

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Sources: Deadline, Variety(1, 2), Forbes

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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