『ゴジラvsコング』チェン博士役チャン・ツィイー、出演シーンを削除されていた ─ モナーク指揮官役『ジョン・ウィック』俳優も大幅カット

映画『ゴジラvsコング』の上映時間は113分。ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』シリーズと『キングコング 髑髏島の巨神』(2017)のクロスオーバー作品としては意外なほどコンパクトな一作となったが、舞台裏では、物語のある部分が大幅に削除されていたことがわかった。モンスターバース(モンスター・ヴァース)を貫く存在である、特務機関モナークの人々である。
英GamesRadarによると、前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)でアイリーン・チェン&リン・チェン博士を演じたチャン・ツィイーは、本作の撮影に参加したものの、登場シーンをカットされたとのこと。新キャストとして報じられていたジェシカ・ヘンウィックも、同じく完成版には姿を見せなかった。
そんな中、幸いにも登場シーンが残ったのが、『ジョン・ウィック』シリーズで知られるランス・レディック演じるギラーミン指揮官だった。しかしアダム・ウィンガード監督は、ギラーミン指揮官も当初の計画では登場シーンがもっと多かったことを明かしている。
「もともと、ランスの役柄はもう少し大きいものでした。モナークの重役として、組織を動かしている役ですから。完成する以前の段階では、重役用の会議室のシーンがあって、そこでミッションの計画をしていたんです。しかし、最終的にそのシーンは必要ないということになりました。編集段階でいくつかのプロットを変更したので、初期段階の素材はカットされ、お楽しみのカメオとして扱うことになったのです。」

ランスの名前は冒頭のオープニング・クレジットにも登場するが、大幅なカットにもかかわらず名前が残ったのは、ランスの契約上の都合だったとのこと。監督はやや意地悪なことに、「オープニングのクレジットに出てきて、実際には(セリフ)3~4行くらいの出番なんだから面白いですよね」とも言っている。
ウィンガード監督は、編集段階でプロットを変更したことを明かしているが、これは再撮影の量を最低限に抑える必要があったため。通常ならば2週間の再撮影を行うところ、本作の場合は5日間にとどまっており、代わりにプロットの“とある要素”を変更。これによって、冒頭と結末のシーンに影響が出たという。チャン・ツィイーとジェシカ・ヘンウィックの出番が削除されたことも、こうした変更の影響だろう。芹沢蓮役の小栗旬でさえ、インタビューにて「自分の出番は当初から半分くらいカットされていると思う」「完成したら初登場シーンも全然違うものになっていて。撮影が終わってからも内容が変わっていった」と話しているのだ。
一方、『ゴジラvsコング』にて撮影された映像素材は「(映画の)5時間版を作れるほど」大量にあったとも語られている。しかしながら、そのほとんどは日の目を見る機会がなさそうだ。なにしろウィンガード監督は、「劇場公開版こそが完成版であり、別のバージョンは存在しません」と断言しているのである。
Source: GamesRadar, Den of Geek