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「映画の世界は架空の英雄であふれている」―『ハクソー・リッジ』メル・ギブソン監督&アンドリュー・ガーフィールドの激熱コメントが到着

映画『ハクソー・リッジ』は、メル・ギブソンにとって2006年の『アポカリプト』以来10年ぶりの監督作品だ。1995年の監督作品『ブレイブハート』をアカデミー作品賞・監督賞などの5部門受賞に導いた彼は、本作でもアカデミー賞2部門受賞・6部門ノミネート、さらに各賞で34部門受賞・102部門ノミネートという実績を生んでいる。

今回、ギブソンと主演のアンドリュー・ガーフィールドが『ハクソー・リッジ』について語ったコメントが到着した。“監督メル・ギブソン完全復活”ともいうべき『ハクソー・リッジ』に、やはりギブソンは並々ならぬ熱意をもって臨んでいたようだ。その背景には、物語の主人公である実在の兵士エドモンド・ドス、そして昨今の映画界への強い思いがあった。

『ハクソー・リッジ』ストーリー

緑豊かなヴァージニア州の田舎町で育ったデズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)は、第2次世界大戦が激化する中、陸軍への志願を決める。先の大戦で心に深い傷を負った父からは反対され、恋人のドロシー(テリーサ・パーマー)は別れを悲しむが、デズモンドの決意は固かった。

だが、訓練初日から、彼のある“主張”が部隊を揺るがす。衛生兵として人を救いたいと願うデズモンドは、「生涯、武器には触らない」と固く心に誓っていたのだ。上官と仲間の兵士たちから責められても、デズモンドは頑として銃をとらない。遂に軍法会議にかけられるが、思いがけない助けを得て、主張を認められたデズモンドは激戦地の〈ハクソー・リッジ〉へ赴く。そこは、アメリカ軍が史上最大の苦戦を強いられている戦場だった。1歩、足を踏み入れるなり、目の前で次々と兵士が倒れて行く中、遂にデズモンドの〈命を救う戦い〉が始まる──。

「そろそろ真の英雄を称賛してもいい」

『ハクソー・リッジ』の舞台となるのは、第2次世界大戦の激戦地となった沖縄・前田高地(ハクソー・リッジ)。物語の主人公は、たった一人、そんな戦場を武器を持たずに駆けまわり75人もの命を救った男、デズモンド・ドスだ。なぜドスは武器を持たないのか、そして命を救うのか。

銃弾が飛び交い、爆弾が炸裂する熾烈な戦場へと丸腰で飛び出していく、そんな“不可解”な主人公デズモンド・ドスを、ギブソンは「特別な存在だ」と断言する。

彼(ドス)が英雄である理由をあげるとすれば、彼が謙虚であることだ。実際、映画化の許可を求めても、ドスは何年もの間繰り返し断ってきた。彼は、真の英雄は大地に眠る人たちだと主張していた」

© Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016
© Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

しかしギブソンは、当初は本作を監督することに積極的ではなかったのだろう。『ブレイブハート』のプロデューサー、ビル・メカニックが粘り強い交渉を続けた結果、最後の決め手になったのはドスという人物の生き方だったようだ。

「戦争に身を投じたいという情熱の強さでは、彼はまさしく戦争協力者だった。だが、命を奪うためではなく、救うために戦う者として従軍したいと考えた。そこに心を奪われた

またドス役を演じるアンドリュー・ガーフィールドは、脚本を読んで本作への出演を即決したという。彼は実在するドスにこう敬意を表している。

「この世にデズモンドのような人物が存在するのは希有なことだ。揺るぎない自分を持っていて、胸の奥から囁きかけてくるか細い声を聞き取る耳もあり、どんな状況に陥っても、何ができるか何を拒むかを心得ている」

© Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016
© Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

その身に情熱を宿しながら、いつも冷静に自身と向き合い、確実に自らの意志を遂げていく。時に人々は、そんな人物を“ヒーロー”と呼ぶのかもしれない。ギブソン監督は、そんな“ヒーロー”の登場する『ハクソー・リッジ』を今こそ映画界に提出したいと考えたようだ。

映画の世界は架空の英雄であふれているそろそろ真の英雄を称賛してもいいのではないだろうかと僕は考え作りあげた。この作品に関わった全ての人たちの協力に感謝し、みなさんにこの話ができることをとても光栄に思っている」

これまでギブソン監督は、折にふれてヒーロー映画に批判的な立場を示してきた人物だ。やはり本作では、ギブソンの考える“ヒーロー像”が示されているに違いない。ギブソンに「ドスを生き写すように演じられる、唯一の役者だ」と絶賛された、ガーフィールド渾身の演技にも注目しよう。

映画『ハクソー・リッジ』は2017年6月24日(土)より、TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー

(文:Takatoshi Inagaki)

© Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

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