『スター・ウォーズ』プリクエル、マーク・ハミルは「感動した」 ─ 一方、旧3部作エディターは落胆で「泣いた」と述懐

『スター・ウォーズ』映画は公開から何年経ってもファンの批評が絶えないものであるが、中でもプリクエル3部作(新3部作)は今なお評価が揺れ動くシリーズだ。
『新たなる希望』(1977)以前、アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーへ転向し、銀河共和国が銀河帝国へと生まれ変わる壮大なストーリーを描いたこの3部作は、1999年の『エピソード1/ファントム・メナス』、2002年の『エピソード2/クローンの攻撃』、そして2005年の『エピソード3/シスの復讐』公開当時は世界中のファンを大いに揺さぶった。特に『ファントム・メナス』には落胆の声も多かったのだ。
この3部作から約20年が経ち、ディズニーによる続3部作も登場した今、プリクエルを見直す動きも多い。ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルも、自身は観客として楽しんだプリクエルについて評価の言葉を語っている。書籍『Howard Kazanjian: A Producer’s Life(原題)』での記述として、米Indiewireが紹介している。
この書籍でハミルは、「プリクエルには独自性があって、感動した」とコメントしているようだ。「批判されていたのは、説明が多く、より知的なものになっていて、おそらく1976年に彼(ジョージ・ルーカス)が言ったように、商業的ではなかったからだろう。ストーリーも暗かった」。
続けてハミルは、「ソーシャル・メディア時代になって、人々の意見も増大する。どうしてこんなに残酷になれるのかと、ショックを受けた。『スター・ウォーズ』映画に関することに留まらずだ」とチクリ。明言こそしていないものの、ソーシャル・メディア時代になって登場したディズニーの続3部作に関するファンの批判を見てのことであろう。ハミルが演じたルーク・スカイウォーカーは、続3部作で必ずしもファンの期待に答える道を歩んではおらず、とりわけ大きな議論の中心となった。ハミル自身、SNSの積極的なユーザーであるからこそ、「ショックを受ける」ほどの様々な書き込みに目を通してきたはずである。
続3部作については、『スター・ウォーズ』旧3部作の編集を手掛けたマーシア・ルーカスも同書の中で、「キャスリーン・ケネディとJ・J・エイブラムスは『スター・ウォーズ』を全くわかっていない」「ルーク像も崩壊させた」と痛烈な批判を述べたことも話題になっている。
そのマーシア・ルーカスは、ほかに『エピソード1/ファントム・メナス』への手厳しい意見も述べている。マーシアはジョージ・ルーカスの元妻であり、「ジョージは心の底からの善人で、優れたフィルムメーカーだ。彼が映画監督を続けてくれたらよかった」とのメッセージを送りつつも、「ILMに務める友人に誘われて『エピソード1』の試写を観せてもらった時は……、泣いた。ぜんぜん良いと思えなかったから」と振り返っている。
主にストーリーに納得ができなかったようだ。「6歳くらいに見える小さな男の子が、20歳くらいに見えるプリンセスと後にくっつくなんて、変なストーリー」とキャスティングも含めて批判しながら、「見掛け倒しのCG」が多かったとも評している。
ちなみに、プリクエル3部作への再評価については、以前には俳優サイモン・ペッグも「プリクエルには色々文句を言ってしまったけど、やっぱり彼(ジョージ・ルーカス)のイマジネーションって凄かった」と近年になって気付きを得たことを語っていた。「『スター・ウォーズ』映画前作(『最後のジェダイ』)を観た後に一番思ったのは、“ジョージ・ルーカスが恋しい”。」
Source:Indiewire