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傑作ミュージカル『ハミルトン』映画版、2021年10月に米公開決定 ─ ブロードウェイ席巻の人気作、オリジナルキャストの舞台を撮影済み

ハミルトン
HAMILTON (ORIGINAL BROADWAY CAST RECORDING)

米国で社会現象というべき人気を博するブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン(原題:Hamilton)』が、映画となって2021年10月15日に米国公開されることがわかった。ウォルト・ディズニー・カンパニーが7,500万ドルという巨額を投じ、世界配給権を獲得した。米Varietyなど複数のメディアが報じている。

『ハミルトン』は、アメリカ合衆国建国の父ともいわれるアレクサンダー・ハミルトンの生涯を、ヒップホップやR&B、ソウルなど多彩な音楽によって綴るミュージカル。2015年にオフ・ブロードウェイで初演されるや絶大なる支持を受けてブロードウェイに進出。「もっともチケットが取れない舞台」として、2020年現在も上演が続けられており、海外への展開も進められている。2016年にはトニー賞の16部門にノミネートされ、最優秀ミュージカル賞を含む11部門に輝いたほか、ピュリッツァー賞の戯曲部門も獲得。戯曲と作詞・作曲を担当したのは、『モアナと伝説の海』(2016)にも参加したリン=マニュエル・ミランダだ。

映画版『ハミルトン』は舞台を翻案して新たに映画化するものではなく、2016年6月、ブロードウェイのリチャード・ロジャース・シアターにて上演された舞台を撮影・編集した作品となる。初演当時のオリジナルキャストが『ハミルトン』を去る以前に撮影された貴重な映像が、映画として新たにお披露目されるのだ。映画版の製作にあたっては、「舞台と映画の最も優れた要素が融合し、まったく新しい形で『ハミルトン』を体験できる、映画的なステージ・パフォーマンスが誕生します」と発表されている。

オリジナルキャストには、生みの親であるリン=マニュエル・ミランダをはじめ、『ブラインドスポッティング』(2018)のダヴィード・ディグス、『オリエント急行殺人事件』(2017)のレスリー・オドム・Jr.、「ボクらを見る目」(2019)のクリストファー・ジャクソン、『アナと雪の女王』クリストフ役のジョナサン・グロフ、『ルイスと不思議の時計』(2018)のレネイ・エリース・ゴールズベリイといった、その後の活躍もめざましい顔ぶれが集結。もはや劇場では観られない上演を、世界の映画館で楽しむことができるようになる。

映画版の監督を務めるのは、舞台版の演出を手がけたトーマス・ケイル。米Deadlineによると、映画版のために上演3回ぶんが撮影され、観客なしでも撮影が実施されたという。

生みの親であるリン=マニュエル・ミランダは、ディズニーの『リトル・マーメイド』(1989)や『美女と野獣』(1991)、『アラジン』(1992)などを通してミュージカルに心酔してきたことを明かしつつ、「お近くの映画館で、生の劇場体験を味わっていただける」と映画版の自信を述べた。「オリジナルのブロードウェイ公演を、ありうるかぎり多くの方々にご覧いただけるため、ディズニーと提携できることをうれしく思います」。

また、舞台演出&映画版監督のトーマス・ケイルも「舞台のファンのみなさん、世界中にいる新たな観客のみなさんに――観客席にいるかのような――ステージと同じ体験をお届けできることに興奮しています」とコメント。「(劇場で)全員に同じシートに座ってもらうことができたらと思っていました。この映画では、それが可能になります」。

映画版『ハミルトン(原題:Hamilton)』は2021年10月15日に米国公開予定

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Sources: Variety, Deadline, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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