トム・ハンクス、映画館はコロナ禍以降も「確実に残る」 ─ 業界の変化、配信サービスの台頭は「必然的」

『ハドソン川の奇跡』(2016)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)などの名優トム・ハンクスは、映画館業界がコロナ禍を生き延びることを確信しているようだ。最新作『News of the World(原題)』が2020年12月25日に米国公開を迎えた今、業界の変化についての持論を米Colliderにて語っている。
「映画館業界は大きな変化を迎えています。大変な状況ですが、映画館は今後も残ると思いますか」。この問いかけに対し、ハンクスは映画館へのアクセスが難しくなっている現状を認めながらも「急激な変化は必然的に起こったもの。けれど、映画館は確実に残ります。営業を再開したあとは、どんな映画を上映するかという自由も戻ると思います」と述べた。
ハンクスの言葉の背景には、コロナ禍を受けて、いくつもの映画が劇場公開を断念し、ストリーミング配信に回ったという現実がある。ハンクスの出演作も、『News of the World』は『キャプテン・フィリップス』(2013)のポール・グリーングラス監督と再タッグを組んだ話題作ながら、米国では2021年1月中旬に配信リリースされ、海外ではNetflixで配信予定。ディズニーによる名作アニメの実写映画版『ピノキオ(原題:Pinocchio)』ではゼペットじいさんを演じるが、こちらもDisney+オリジナル作品となった。
コロナ禍が明けたころには、「大作のイベント映画が映画館を席巻することでしょう」とハンクスは言う。「観客が映画館に来るよう、マーベル・ユニバースやシリーズ映画が出てくると思います。家のソファで観ると、視覚的なインパクトがずいぶん弱まってしまう。だからみなさん、あの手の映画は大スクリーンで観たいと思うんですよね」。
もっともハンクスは、コロナ禍によって映画館業界に起こっている変化は「ゆるやかに起こり続けていたこと」だとも述べている。「たくさんの映画が配信されるだけになるのだと思います。だけど僕は、それでいいとも思うんですよ。自宅の大きなテレビで作られ、構成された映画も現に存在するわけだから」。