「ハンニバル」ドラマ最終話、レクターとウィルは「ひとつになった」─ キスシーンは「あざとすぎる」と断念

マッツ・ミケルセン主演ドラマ「HANNIBAL/ハンニバル」(2013-2015)の最終話で、マッツ演じるハンニバル・レクターと、ヒュー・ダンシー演じるウィル・グレアムのキスシーンが検討されていた…? 米Vultureにて、マッツが当時の制作秘話を明かしている。
この記事には、「ハンニバル」シーズン3最終話『羊の怒り』のネタバレが含まれています。
レクター&ウィルは「ひとつになった」
「ハンニバル」シーズン3の後半で描かれたのは、トマス・ハリスの原作小説『レッド・ドラゴン』(ハヤカワ文庫NV)に基づく、“噛みつき魔”フランシス・ダラハイドとの戦いだ。レクターに心酔し暴走するダラハイドによって追い込まれていくレクター&ウィルは、最後にはダラハイドを殺害し、ともに暗い海の中へ落ちていく。インタビュアーがこの結末を「新婚初夜のよう」と表現するや、マッツは「カニバリズム的でもあります」と答えた。
「(レクターにとって)相手を食べることは、愛することの究極の形。お互いを見つめるラストシーンでは何度もテイクを重ねましたが、ちょっとあざとすぎたと思います。ほとんどキスみたいなものだった。僕とヒューは“一回やってみればいいよ、何回も撮ってるんだし。良いかもしれないよ”という感じでしたが、結局キスはしませんでした。ブライアン・フラー(脚本・製作総指揮)も気に入っていたけれど、“それはやりすぎだ、あざとすぎる”ということで。彼は正しかったですね。」
レクター&ウィルのキスシーンを望むファンがいたこと、シリーズの結末が同性愛的なファンアートの題材として描かれてきたことを、マッツ自身も認識しているという。しかしマッツは、レクター&ウィルの関係性を「ロマンティックなものではあるけれど、必ずしも肉体的になる必要はない」と考えているようだ。
「彼らにはあらゆる意味で双子のような結びつきがあります。肉体的な繋がりにしたくなかったのは、それ以上に大きな関係性だから。二人はなんとか一緒に人を殺さなければいけなかったし、同じ気持ちでなければいけなかった。(レクターとしては)“やっと捕まえた。ウィル・グレアムは私だ”ということ。あの時、二人はひとつになったんです。」
もっとも製作陣にとって予想外だったのは、「ハンニバル」がこのラストシーンをもって終わりを迎えてしまったことだ。製作・放送のNBC局はシーズン3をもって打ち切りを決定し、以来、ファンだけでなくキャスト&スタッフもシリーズの再開を求めている。2020年に米Netflixでシリーズの配信が始まるや、シーズン4を望む声も再燃した。
今回、マッツも「あれで終わりとは思っていませんでした。シーズン4があると聞いていて、次の手もあったんですが、実現しなかった」と改めてコメント。シーズン4については「ぜひやりたいし、誰もがやりたがっています。たとえ1シーズンかぎりでも良くて、それだけでもきちんと、驚きをもって、鮮やかに終えられると思います」と語った。
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Source: Vulture