海ドラマニアが選ぶ「HBO」おすすめドラマ5作まとめ ─ ハイクオリティな海外ドラマが観たい時に

「バリー」

「サタデー・ナイト・ライブ」出身のビル・ヘイダーが製作・監督・脚本・主演を務める「バリー」も、コメディとドラマを融合したようなシリーズだ。
主人公は、元海兵隊員で心に闇を抱える殺し屋のバリー・バークマン(ビル・ヘイダー)。殺しのターゲットを追う成り行きで演劇クラスに入り、すっかり演劇の世界に魅了されてしまう。これをきっかけに人生の再起を図ろうとするが、そう簡単に裏社会から足を洗うことはできない。
コミカルさ、ダークさ、バイオレンスが巧みに調和された本作。シーズン1前半は演劇にハマった殺し屋&マヌケなマフィアのドタバタが愉快なのだが、やがてバリーの抱えるPTSDにスポットが当たり、物語はどんどんダークな方向へ。シーズンフィナーレの展開には、誰もが息を吞むだろう。
シーズン2以降、「悲喜劇」の「悲」の比重はさらに増していくが、それでも毎エピソードにコミカルな要素が巧みに盛り込まれている。胸をえぐられるような瞬間と、声を出して笑ってしまう瞬間を交互に味わえるのは、本作でしかできない体験かもしれない。
ドラマ&コメディの優れたハイブリッドである「メディア王」と「バリー」は、奇しくも共に2018年に始まり2023年のシーズン4で完結を迎える。未見の方には、ぜひ今からでも鑑賞をおすすめしたい。
「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」

最後は、リゾート地を舞台にした社会風刺コメディドラマ「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」。アメリカで大きくバズり、2022年のエミー賞を総なめにした注目作だ。本国に比べ日本では知名度が低いので、この機会に紹介したい。
シーズン1の舞台は、常夏の楽園ハワイ。冒頭で1体の死体が上がり、時は1週間前に遡る。その日ホテルに訪れたのは、新婚カップル、ひとり旅中の女性、女性CEOとその家族。従業員たちは笑顔で迎え入れるが、やがて彼らの人間関係は複雑に絡まり、暗雲が垂れ込める。
「誰が、なぜ死んだのか?」をめぐるミステリーやバカンスの雰囲気だけでも楽しめる本作だが、ストーリーの核となるのは階級や人種問題。贅沢を楽しむ白人富裕層と彼らをもてなす労働階級や有色人種とのギャップが、徐々にくっきりと浮かび上がっていく。風刺とユーモアを交えたストーリーが大好評を博し、リミテッド・シリーズながらシーズン2の製作が決定した。
シーズン2は舞台をハワイからイタリア・シチリア島へ、テーマを「階級」から「性生活」へと移し、キャストもほぼ一新。セックスレスのカップル&わりありげな友達夫婦、女性問題を抱えた3代の父子、娼婦2人組などがより一層興味深い群像劇を織りなし、前回よりさらに面白くなっている。また、主軸となるミステリーが明かされた後も小さな謎は残されており、視聴者に「あのシーンは何だったの?」「あの人はどうなるの?」などと真相やその先を想像させる点も魅力といえるだろう。
シーズン1のキャストは、「9-1-1: LA救命最前線」コニー・ブリットン、「ユーフォリア/EUPHORIA」シドニー・スウィーニー、『キューティ・ブロンド』ジェニファー・クーリッジ、「THE LAST OF US」マレー・バートレットなど。シーズン2にはクーリッジが続投し、新たに「レギオン」オーブリー・プラザ、「ザ・ソプラノズ」マイケル・インペリオリ、『グランド・ブダペスト・ホテル』マーレイ・エイブラハムら豪華キャストが参戦した。
ちなみにクリエイターのマイク・ホワイトによると、シーズン3のテーマは「死と東洋の宗教とスピリチュアル」。舞台はタイになることがささやかれている。
ここで紹介したドラマは、日本国内では全てU-NEXTで独占配信中。
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Source:Vanity Fair,Variety