【ネタバレ】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』スノークの正体を知る男 ─ J・J・エイブラムス、衝撃展開に「笑った」

この記事には、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)のネタバレが含まれています。『スカイウォーカーの夜明け』(2019)のネタバレはありません。
スノークは、新たな『スター・ウォーズ』の暗黒面を象徴する不気味な存在として、『フォースの覚醒』に登場した。年老いて崩れかかった顔が青白いホログラム映像でのみ確認でき、かつてのダース・シディアス/パルパティーンを彷彿とさせるようだった。フォースのダークサイドの使い手だが、シスではないらしい。
一体、どのような出自を持ち、過去に何があったのか。我々に何の手がかりも与えぬまま、『最後のジェダイ』では弟子のカイロ・レンに油断を突かれて殺害された。書籍『スター・ウォーズ/最後のジェダイ ビジュアル・ディクショナリー』で、スノークの指輪には、灼熱の惑星ムスタファーにあるダース・ベイダーの城の地下で採掘された黒曜石が付いているという情報が明かされている程度だ。
アンディ・サーキスは知っている
演じたアンディ・サーキスは、彼のバックストーリーについて「知っている」と言う。「でも、明かしたくありません。」残念ながらアンディが語ることのできる情報は少なく、「彼の特徴は、戦いの傷跡と、強い復讐心から生まれている」というコメントのみだ。
そこでアンディの発言を過去にさかのぼってみると、もう少しヒントが得られる。2018年3月時点のインタビューでは、こんなことを言っている。
「彼は脊椎側弯症(背骨が側方に曲がり、ねじれた状態)だと思います。だから、コルクの栓抜きみたいに身体がよじれている。脊椎が弱って、少しねじれているので身体が傾くわけです。こういう症状を長年患っていて、ほとんど関節症のようにもなっているんですね。」
「(原因は)過去の戦闘です。それに(年を重ねて)衰えている。年老いたキャラクターで、戦いの傷跡が回復に影響を与えていて、身体はうまく動かなくなり始めているんですよ。」
「(年齢は)数百歳でしょうね。」
ほか、脚本を読んでスノークの死を知った瞬間は、「ビックリしました」と語っていたこともある。
「ドラマとしては、映画のあの場面は明らかに正しいと思うんです。だから疑問ではなかったんですよ。とにかく、非常に重要なシーンだったので、疑問はありませんでした。ただ、ファンの人たちの思いが残ってしまうな、とは思いましたね。(スノークに)何かを求めていた人たちの思いが。でも僕に言わせれば、(真実は)誰にもわかりませんよ。」
なぜカイロ・レンはスノークを殺害したのか
黒幕をあっさりと殺めてみせた『最後のジェダイ』ライアン・ジョンソン監督は、その驚きに満ちた犯行の実行者カイロ・レンの動機を説明している。カイロは、常々“その時”が訪れる機会をうかがっていたというのだ。
「彼(カイロ・レン)は、基本的にスノークを裏切るつもりでいたのですが、具体的にどういう風になるのか、その機会もいつかは分かっていませんでした。ただ、いつ実行するのかは分からないながらも、その意図はあった。それで、レイを連行してきた時。彼女とは通じ合っていて、あのエレベーター内での会話です。」
スノークのフォースによって、離れた場所にいたはずのレイとカイロ・レンの心は接続され、ついに身体(指先)が接触するに至っていた。その時、レイはレンの未来が「おぼろげでも、はっきり」見えたと言う。「スノークに服従しない。あなたは変わる。私が手を貸す。」一方のレンも、“その時”になればレイが仲間になると予想していた。両者の利害が一致する。
「この時点から、私は“よし、ここで彼に決心がつくけど、まだどうやるかは分かっていない”と考えました。そして、ライトセーバーを隣にしたスノークの注意がそれている瞬間がやってきて、彼は今ならやれると気付き、やるんです。」
スノークの死、マーク・ハミルとJ・J・エイブラムス監督の反応
物語上の謎をあれこれ考察するのが、ファンにとっての醍醐味のひとつ。ライアン・ジョンソンはこうしたお決まりを覆したわけだが、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルは「僕自身もファンだから、ファンの皆さんの気持ちはよく分かります」と寄り添う。それでも、スノークの死がこれほど騒がれたのは驚いたという。
「ライアンにすれば、エピソード9に向けて彼は重要じゃなかった。カイロとレイの対立を描くために、スノークを妨げにさせることもなく、またパルパティーンのクローンなのかとか、血筋なのかとか、そういった説明を示すこともせずに片付けたわけです。」
起点『フォースの覚醒』と、終点『スカイウォーカーの夜明け』を手掛けたJ・J・エイブラムス監督は、『最後のジェダイ』について事前に脚本を読んでいたため、展開は知っていたという。スノークの死のシーンを読んだ時には、実にライアン・ジョンソンらしいと「笑った」とか。
「僕は、彼(ライアン・ジョンソン)がそのカットに取り組んでいるところを、いち見物人として見ていました。フィルムメーカーとしての彼の選択には感謝していますよ。僕が(『フォースの覚醒』で)やったことと、きっと全然違いますから。もし彼がエピソード7(『フォースの覚醒』)を手掛けていても、また違ったものになっていたと思いますし。」
スノークは殺害され、銀河の英雄ルークが暗く塞ぎ込み、そしてまた力尽きる。J・Jは、こうした驚きの展開に満ちた『最後のジェダイ』について「期待を裏切る」ものだったと語り、それらは「間違いなく上手くいっている」と評価。もっとも、スノークやルークよりも「僕が一番驚いたのはキャプテン・ファズマが死んだことです」ともコメントしているのだが。
もちろん具体的な内容は不明だが、J・Jは『スカイウォーカーの夜明け』で「ある答えを出す。あることを知ってもらう」と予告している。果たして、スノークの謎も解き明かされるのだろうか。映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)日米同時公開。
▼ 『スカイウォーカーの夜明け』の記事
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』続編、撮影しばらく先か ─ デイジー・リドリー「脚本は進んでいる」 待とう 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』続編、政治要素も描かれる ─ 「ジョージ・ルーカスがやりたかったこと」と脚本家 新世界はどうなっている? 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』出演者、続編『ニュー・ジェダイ・オーダー』に意欲 ─ 「スケジュールが空いていれば」 まだ当面先の話かも 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』続編映画、『ボーン・アルティメイタム』脚本家が新たに就任 3代目となります 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』出番カットのマット・スミス、実は『ジェダイの帰還』をちゃんと観たことがない 「嫌いにならないで」
Source:Comicbook.com,Rolling Stone,FOX 5 DC,ScreenRant,GamesRadar
Pablo Hidalgo “Star Wars The Last Jedi The Visual Dictionary “(2017)