クリス・ヘムズワース、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』に「うーん…」 ― クリス・エヴァンスに腕相撲で勝利

映画『マイティ・ソー』シリーズで知られる俳優クリス・ヘムズワースが、米GQのロング・インタビューにて『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)での急激な作風の変化について語った。その背景には、とある危機感があったようなのだが……。

『マイティ・ソー』シリーズは、マーベル・シネマティック・ユニバースにおいて最も作風が変化した3部作といっていいだろう。シェイクスピア劇の“名人”であるケネス・ブラナーがその長所を発揮した『マイティ・ソー』(2011)、ファンタジー色を強めた『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)、そしてオフビートなSFコメディへと転じた『マイティ・ソー バトルロイヤル』だ。
「1作目は良かった、2作目は“うーん…”」。ヘムズワースは『マイティ・ソー』シリーズの前2作についてこう振り返る。どうやら『ダーク・ワールド』については純粋に納得していないようだが、そこにはこうした考えがあるようだ。
「“男らしさ”が、昔ながらの典型的なものでしたね。最初はすごく親しみやすいと思ったんですよ。でも、すごく危うかったということに気づいて。」
こうした考えが、1作目と2作目への思いに直接現れるのは理解できるだろう。『マイティ・ソー』は兄弟の関係を中心に据え、神と人間のユーモアを強調することで、ソーの“男らしい”部分はある程度巧みに回避されていた。一方、『ダーク・ワールド』はヒロインのジェーン・フォスターとのラブストーリーに重きが置かれたため、そうした性質が前面に出ることになったのである。
ソーのキャラクター造形は、『アベンジャーズ』(2012)や『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)にも引き継がれた。『バトルロイヤル』でキャラクターを一新した際、ヘムズワースが「このキャラクターを演じるのに飽き飽きしていた」と述べていたのは、おそらくこうした理由も大きかったのだろう。『バトルロイヤル』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)のソーは、コミカルだが内省的な面をそなえた、それまで以上に“人間くさい”雷神だったのである。
なおヘムズワースは、2019年公開『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』をもってマーベル・スタジオとの出演契約を満了する予定。ヒーローたちを演じる俳優同士の仲がとても良かったことで知られるマーベル・シネマティック・ユニバースだが、同じくGQのインタビューにて、ヘムズワースは“クリス仲間”のキャプテン・アメリカ役クリス・エヴァンスを腕相撲で倒したことを明らかにしている。
「腕相撲で(エヴァンスに)勝ちました。実は彼は4フィート3インチ(約130センチ)しかなくて、スクリーンでは拡大されてるんです。だから余裕ですよね。」
こうしてインタビューなどで出演者がお互いをネタにするのも近々見納めかもしれないと思うと、早くも寂しくなってくる……。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)公開予定。
Sources: GQ(1, 2)
Eyecatch Image: 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』MovieNEX発売中 © 2013 MARVEL