トム・ヒドルストンが「ロキ」姿で登場した2013年のコミコン映像、今見ると感慨深い ─ 「私はアスガルドのロキ、大いなる目的を担っている」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)ドラマ「ロキ」シーズン2は、最終話である第6話『大いなる目的』で壮大な結末を迎えた。悪戯の神、裏切りの神だったロキは、ついにその大いなる目的を果たしたのだ。
かつては『マイティ・ソー』シリーズで、陽のソーと対になる陰のヴィランであったロキは、作品を重ねるごとに魅了と存在感を増していき、今では大物キャラクターとなった。ドラマ「ロキ」は、かねてよりセリフに込められていた“大いなる目的”が果たされるという大きな環を描く物語となったが、今になって見返すと感慨深い映像がある。今から10年前である2013年のサンディエゴ・コミコンに、ヒドルストンがロキになりきってサプライズ登場した時の様子だ。
この年のロキといえば、『アベンジャーズ』(2012)を終え、同年秋に『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』が控えていた頃。ケヴィン・ファイギがステージで「今は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のポスト・プロダクション中で……」と語っているところ、突如照明が暗転。すると「人類よ、ここまで落ちぶれたか!うだるような暑さの中、暗闇の中で身を寄せ合って並んだとはな。まるでケダモノだ!」との声が響き渡る。雷鳴とともに姿を見せたのは、ロキになりきったトム・ヒドルストンだ!劇中のコスチューム姿で仁王立ちするその立ち姿は迫力満点である。
ヒドルストンは大興奮の観客席をゆっくり指さし、そしてあの不適な笑みを浮かべる。会場から「ロキ」コールが巻き起こると、「しーっ」と指を唇に当て、こう叫ぶ。「私はアスガルドのロキ!大いなる目的を担っている!」
この10年後、ロキは単独ドラマシリーズが2シーズン製作されるまでに成長し、そのフィナーレで真の「大いなる目的」を果たすことになるとは、当時の観客も、ましてやヒドルストン自身も、全く想像に及ばなかっただろう。
その後、ヒドルストンが着席していたケヴィン・ファイギに「下がれ!泣き虫め」と叫ぶと、ファイギはスタコラサッサと退散。この「泣き虫(mewling quim)」とは、映画『アベンジャーズ』(2012)でブラック・ウィドウ(スカレーット・ヨハンソン)に放ったセリフのオマージュだ。
ヒドルストンはさらに、「自由の魅惑により、人生の喜びは減じ、厄介な苦労が始まる」と、『アベンジャーズ』に登場した自身のセリフを復唱。「この、ミッドガルドの貧しい会場でな……アリーナの名はホールHと言ったな」と、コミコン仕様のセリフで会場をさらに盛り上げると、「アベンジャーズはどこだ?」で沸かせ、「私の名前を呼べ!」とコールアンドレスポンスを投げ掛ければ、会場はすっかり大熱狂の渦だ。
当時からこれほどに愛されていたロキ/トム・ヒドルストンだが、『東京コミコン2023』にも来日予定。2018年の登場以来、5年ぶり2度目となる。より魅力を増して帰ってくるヒドルストンを、日本のファンも全力で迎えるとしよう。

ちなみにトム・ヒドルストンについてもう一つ紹介したい過去の動画が、Marvel UKによる「本人登場ドッキリ」企画。2018年の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』時のキャンペーンで、ロキのコスプレ姿のファンがカメラに向かってお気に入りのセリフを唱えている背後から、本物のトム・ヒドルストンが突然登場するというサプライズだ。慌てるファンや、完全に停止してしまうファンなど、さまざまなリアクションを見ることができる。
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