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トム・ホランド、スパイダーマン役オーディションでの失敗とは ─ ロバート・ダウニー・Jr.のアドバイス「今でも役立っている」

トム・ホランド ロバート・ダウニー・Jr
[左]Photo by THE RIVER [右]Photo by Gage SKidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14802403202/

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のスパイダーマン役で知られるトム・ホランドには、オーディションにまつわる逸話がいくつもある。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)のオーディションでロバート・ダウニー・Jr.と対面した際の失敗談、そして当時のアドバイスを、トム本人が米GQにて語った。

アンソニー&ジョー・ルッソ監督らに望まれ、『シビル・ウォー』のスクリーンテストに参加したトムは、そこでアイアンマン/トニー・スターク役のロバートと初めて対面している。子役からキャリアを積んでいたトムだったが、ハリウッドにおいて当時はまだまだ駆け出し。ロバートとのオーディションはとても緊張したという。

「(オーディションのことは)よく覚えていますよ。もちろん緊張したし、緊張しない方が変ですよね。だけど、ありがたいことに、緊張を和らげてくれたことがあって。部屋の中にアンソニーとジョーが見えて、それから、ダウニーが立っているのが見えたんです。部屋に入って、自己紹介をしたんですが、その時に“なんか変だな”と思ったのを覚えてますよ。僕が記憶している、イメージしていたダウニーと違うぞって。

だけど、彼と握手をして、“お会いできて光栄です”と言いました。どれだけ自分が興奮しているか、これがどれだけ自分にとって大きなことかを話したんです。そしたらドアが開いて、本物のロバート・ダウニー・Jr.が入ってきて。僕はずっと、彼のスタントダブルと話してたんです。緊張や不安はどこかに行っちゃって、本物のダウニーと会った時には落ち着いてましたね。」

当時のトムについて、一方のロバートは「トムは毛量が多かった」と笑っている。このスクリーンテストでロバートが早々に脚本を無視し、若いトムに対して即興演技を仕掛けたのは、熱心なファンの間ではよく知られたエピソードだ。ロバートは「彼はうまくやっていましたよ。経験もあるし、存在感もあった」と振り返り、トムがスパイダーマン役を射止めた理由をこう述べている。

「その日はいろんな子と一緒にテストをしました。彼らは無名だけれど、みんな上手だったし、誰もがスパイダーマン役に新しいものをもたらしたと思います。じゃあ、なぜホランドだったのかといえば、それは真剣さです。役を引き受けられるだけの真剣さと信頼性があった。スパイダーマンを演じるのは本当に大きなことです。スパイダーマンはマーベル・ユニバースを代表する存在だから。僕がアイアンマンになった時、アイアンマンの名前はあまり知られていなかったけれど、スパイダーマンの名前は誰もが知っています。」

そこで必要になったのが、スパイダーマン役を演じる上でふりかかる試練を乗り越えられる力が備わっているかどうかだった。ファンも並々ならぬ熱意を持つスパイダーマンを演じることは、ロバートいわく「自分自身でコントロールできないこと。かんたんに道を見失いかねない」。しかしトムは、そのリスクをも克服できると判断され、現実に役柄を自分のものにしたのである。

トムは『シビル・ウォー』のオーディション時、ロバートからひとつのアドバイスを受けたことを明かしている。ロバートはトムに「どんな気持ちなのか分かるよ。僕も昔はこういう経験をしたし、すごく緊張するものだから」と言い、「楽しんで、身体に自分自身を任せて」と語りかけたというのだ。すなわち頭で考えるのではなく、身体の赴くままに取り組むべし、ということである。トムはこの言葉のおかげでスパイダーマン役を射止められたといい、「このアドバイスは今でも役立っています」と話した。

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Source: GQ

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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