みんなで映画を再現しよう!ホームメイドでハンドメイドな映画リメイクにおける映画への愛

昨今、特にハリウッドにおいて排出される映画作品の多くが、リメイク作品、あるいはリブート作品の嵐となっていることは、皆さんもご存知のことだと思う。

確かにかつての名作を自分の手で作りなおしてみたい、あるいは再現してみたいという欲求は、映画を愛する者であれば当然のように持ち合わせていることであろう。まあハリウッドの現状においては単なる大人の事情やネタ不足であるというような話も耳するが・・・。

さて趣はやや違うのだが、2008年に公開されたアメリカ映画に『僕らのミライへ逆回転』(Be Kind Rewind)というものがある。ご存じの方も多いかもしれない秀作である。

Be Kind Rewind

http://www.imdb.com/title/tt0799934/

この映画の物語を簡潔にご説明すると、ニュージャージー州のパセーイクにある寂れたレンタルビデオ店の店員とその幼馴染が、ひょんなことから、ハリウッド映画の名作をホームビデオを使って自分たちでリメイクし、客に貸し出さざるを得なくなる、というものである。ちなみに原題の「Be Kind Rewind」とは、日本で言うところの「巻き戻してご返却下さい」という意味。今やVHSのビデオを貸し出しているレンタル店は滅多な事がない限り見られなくなったので、その意味を理解できない方もあるいは多いのかもしれない。しかし、ぼくが若かりし頃はまだまだVHSが全盛を誇っていた時代なので、当然、巻き戻して返却するのが映画愛好家としての礼節であった。

映画の話に戻ると、この作品はなかなか映画愛に包まれていて、至極後味が良い。劇中には主役の二人によってリメイクされる数多くの懐かしい映画が登場し、『ニュー・シネマ・パラダイス』(Nuovo Cinema Paradiso)へのオマージュ的なシーンも伺えたりする。続々と完成する(完成させざるを得ない)リメイク版の作品はハチャメチャな出来栄えなのだが、それが人々に大人気となる。そんな、映画への愛と憧れみたいなものが描き出されている作品なのである。

そしてそういったことは、今や映画の中だけに留まらず、YouTubeなどのメディアに誰でも簡単に動画を公開できるようになったことで、多くの人がその映画への愛や憧れを具現化し出している。
大好きな映画をホームメイドでリメイクあるいは再現して、インターネット上に公開しているのである。

今回はそんな中から、ぼくの独断と偏見において、いくつかの作品をご紹介してみたいと思う。

『遊星からの物体X』再現リメイク

まずはこちら、アメリカ映画界の鬼才ジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』(The Thing)。ちなみにこの作品自体が、クリスティアン・ナイビイによる1951年版の『遊星よりの物体X』(The Thing from Another World)のリメイクとなっており、カーペンターの作品は原作である『影が行く』のより忠実な映像化となっている。

ではどうぞ。

いかがだろうか、このチビッコ版『遊星からの物体X 』のクオリティー、ぼく自身は感動の嵐であった。わずかに六分足らずで、あの映画を見事に再現している。 チェス・マシーンに腹を立てて壊すシーン、冒頭のヘリコプターのシーン、同化された犬の暴走、次々に同化されてゆく隊員たち、そして腕を食いちぎられるシーンや火炎照射器で熱したワイヤーで血液を調べるシーンの再現具合には、興奮が抑えきれずに何度も吹き出してしまった。そしてエンドロールの具合も微笑ましい。『遊星からの物体X 』を50回は観返しているぼくとしては、これこそ愛だと感じる。

『エイリアン2』再現リメイク

次は、まさに『僕らのミライへ逆回転』のような作品。「CineFix」がYouTube上で展開する、数多くの映画の名シーンを再現した「HOMEMADE MOVIES」という作品群の中から、ジェームズ・キャメロンの『エイリアン2』(Aliens)における、あのクライマックスのシーン。

もはやここまで来るとホームメイドの域を超えているので、「すごい!」と唸ってしまう。このテイストで全編を制作したら、それこそ再現作品として劇場公開できるのではないだろうか。

『ターミネーター2』再現リメイク

さて次はこちら、これこそある意味ではホームメイドと呼べるのかもしれないが、その意味は鑑賞の後で。再びジェームズ・キャメロン監督作品より『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day)、有名な序盤のシーン。

比較的地味な作品ではあるが、この中で、映画ではアーノルド・シュワルツェネッガーが演じていたターミネーター役をやっているのは、ジョゼフ・バエナ、つまりシュワルツネッガーの息子なのである。違う意味でのホームメイドな作品になっている。シュワルツェネッガーは血が濃そうだという予想通り、たしかにパパによく似ている。

『ジュラシック・パーク』再現リメイク

さて次、先日シリーズ第4作目としての『ジュラシック・ワールド』(Jurassic World)が公開されて話題となり、さらにその続編にも期待が寄せられているシリーズの記念すべき第1作目、スティーヴン・スピルバーグの『ジュラシック・パーク』(Jurassic Park)を恐竜を使わずに人間で再現した『ジュラシック・ピープル』(Jurassic People)。その中からあの緊迫のシーンをどうぞ。

一見するとバカバカしいように感じるが、いやいや、実は意外とよく出来ていておもしろい、見入ってしまう。演じている人たちの情熱が半端なく伝わってくる。これもやはり映画愛の成せる技だと感じる。

『シャイニング』再現リメイク

さて最後になるが、こちらはやや素人寄りではなく、『バフィー 〜恋する十字架〜』 (Buffy the Vampire Slayer)などで知られる俳優のトム・レンクによるパロディ的な再現作品。スタンリー・キューブリックの『シャイニング』(The Shining)より、恐怖の双子のシーン。

個人的にはかなりな満足度があった。真面目な完全再現の対極にあるこういうバカバカしさも、やはり再現の醍醐味といえるかもしれないし、これこそホームメイド感はバリバリでおもしろい。そして、けっこう映画のシーンそのままに見えてきてしまう辺りも、ちょっと不思議である。

 

というわけで、ここでご紹介したリメイク作品は、本当に本当に、ほんのごく一部に過ぎない。皆さんも暇で暇で仕方がない時には、こういった愛と憧れに満ちた映画のホームメイド・リメイクを探して鑑賞してみてはいかがだろうか。

もちろん、ご自身がその制作者になるのが、一番の暇つぶしになることは、言うまでもない。

ちなみにぼく自身も少し前だが、暇つぶしに『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(Star Wars: The Force Awakens)のほんのちょっとした再現動画を作ってみたことがある。もちろんホームメイドのハンドメイド。思い付きで半日ほどで作った簡易的なものなので、クオリティーはさておき・・・、やってる本人は実に充実感がある。せっかくなので、興味のある方はご覧いただきたい。

ぜひ皆さんにも、ホームメイドでハンドメイドな愛のある映画のリメイクを、強くオススメしたい。

About the author

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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