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『ハウス・オブ・グッチ』ジェレミー・アイアンズへインタビュー ─ ロドルフォ・グッチは「栄光に生きる男」

『ハウス・オブ・グッチ』ジェレミー・アイアンズ
ⓒ 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

あなたは「戦場から戻ってきた、疲弊した老兵のように見えた」と言いましたが、素敵な表現ですね。確かに彼にとって、人生すなわち戦闘でした。それで今は、勝利の栄光の中に生きているのです。そして、もう戦いたくないと思っている。

──劇中でロドルフォは、レディー・ガガが演じるパトリツィアを憎んでいて、ショッキングなほど酷い言い方をする一幕もあります。でも現場では、彼女と良い関係を気付けましたか?

素晴らしかったです。彼女は非常に才能がある。経験豊富というわけではないにせよ、素晴らしい女優であり、そして非常に謙虚な方で、緊張しながらも向上心があり、集中力もある。優れた女優として必要な素質を全て持っていました。

それに、素晴らしいアーティストでもある。(役者とアーティストという)両者の間には、あまり大きな違いはないんです。彼女は曲の見せ方や、自分のパーソナリティの見せ方もわかっているわけですから、自然と、自分のキャラクターの見せ方もわかっていた。つまり彼女は、元よりの女優だったのです。それと同時に、「普通の人」でもあったことが素晴らしい。非常に接しやすい方でした。

──おっしゃいますように、レディー・ガガは素晴らしい歌手でもあります。それから、ジャレッド・レトも元々ロックバンドのボーカルとして有名でした。アダム・ドライバーも、『アネット』で素晴らしい歌唱を披露していると聞きます。そしてあなた自身もギターを弾きますよね。

バイオリンも弾けるし、いろいろな楽器を演奏できますよ。

──演技と、楽器の演奏や歌唱には、共通点もあるとお考えですか?

同じだとは思いませんが、同じ「質」が求められるものだと思います。ミュージシャンであれば、周囲の演奏や音を「聴く」ことが重要です。コミュニケーションを取り、感情を感じ取らなければならない。あなたの言う通りです。ミュージシャンに求められる「質」の多くは、役者にも同様に求められる。

──ところであなたは、かつてバットマンの執事アルフレッドを演じられました。今度、バットマンの新作映画が公開されますが、そちらではロバート・パティンソンが新たにバットマン/ブルース・ウェインを演じます。彼に何かアドバイスはありますか?

いやぁ、彼にアドバイスなんて必要ありませんよ。彼は自ら道を見つけることでしょう。バットマンはまるでハムレットのように、様々な役者が興味深く演じることができる、非常にアイコニックなキャラクターです。新しいアルフレッドをどなたが演じるのか失念してしまいましたが、彼もまた新たなキャラクターを作り上げてくれるでしょう。我々はみんな違うのです。マイケル・ケインに、マイケル・ガフも。

──新しいアルフレッドは、アンディ・サーキスが演じられます。

アンディ・サーキス!ゴラムだ。

──そうです!(笑)お時間になりました。ありがとうございました。

お話しできて嬉しかったです。

『ハウス・オブ・グッチ』ジェレミー・アイアンズ
ⓒ 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『ハウス・オブ・グッチ』は全国公開中。

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Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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