マーベル「ハワード・ザ・ダック」アニメ版が製作中止に ─ ケヴィン・ファイギ新体制、各企画を見直しへ

米マーベル・エンターテインメントが、コミックファンに愛される人気キャラクター、ハワード・ザ・ダックの単独アニメシリーズ「マーベル ハワード・ザ・ダック(原題:Marvel’s Howard the Duck)」の製作を中止したことがわかった。同じく、親友同士の女性ヒーローが共演するアニメ「マーベル ティグラ&ダズラー・ショー(原題:Marvel’s Tigra & Dazzler Show)」の企画もお蔵入りとなっている。米The Hollywood Reporterなど複数のメディアが報じた。
もともと「ハワード・ザ・ダック」「ティグラ&ダズラー」は、マーベルの旧テレビ部門「マーベル・テレビジョン」と米Huluが共同製作する予定で進められてきたプロジェクト。しかしマーベル・テレビジョンは2019年に閉鎖され、映画部門「マーベル・スタジオ」に統合されている。マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが、今後はチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして出版物・映画・テレビ・アニメーションなどの各作品に参加する方針となったため、それ以前に始動していたプロジェクトを除いて、テレビ部門の新企画はすべて中止となっていたのだ。
マーベルでは現在、ケヴィン・ファイギによる新体制のもと、各プロジェクトの再精査が進行中。報道によれば、今回の企画中止もマーベル側の決定だという。マーベル・スタジオへの事業統合後、企画が継続されているのは「エージェント・オブ・シールド」第7シーズン(最終シーズン)のほか、Hulu共同製作のドラマ「ヘルストローム(原題:Helstrom)」、アニメ「マーベル ヒットモンキー(原題:Marvel’s Hit Monkey)」「マーベル M.O.D.O.K.(原題:Marvel’s M.O.D.O.K.)」のみとなっている。
2019年2月、「ハワード・ザ・ダック」「ティグラ&ダズラー」は、製作が継続される「ヒットモンキー」「M.O.D.O.K.」と世界観を共有する一大企画として発表され、4作品のメインキャラクターは、それぞれの単独アニメを経て「マーベル オフェンダーズ(原題:Marvel’s The Offenders)」でクロスオーバーする予定だった。ただし、4作品中2作品の企画中止が決定したため、「オフェンダーズ」の実現も見送られることになりそうだ。
「ハワード・ザ・ダック」の脚本&製作総指揮は『コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団』(2016)『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』(2001)のケヴィン・スミス、「ティグラ&ダズラー」の脚本&製作総指揮は『ガールズ・トリップ』(2017)『トロールズ』(2016)のエリカ・リヴィノジャらが務める予定だった。ところが2019年12月、「ティグラ&ダズラー」の脚本家チームは揃ってプロジェクトを離脱。新たな人材の検討に入ったと伝えられていた。
ちなみにハワード・ザ・ダックは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画作品である『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)にカメオ登場しており、今後もMCU作品に登場する可能性は高い。残念ながら単独アニメは中止となったが、今後、新たな展開にも期待したいところだ。
Source: The Hollywood Reporter