『ハリー・ポッターと呪いの子』映画化してもキャスト再集結はナシ ─ J・K・ローリングと意見不一致で

映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)『秘密の部屋』(2002)の監督として知られるクリス・コロンバス。シリーズの“その後”を描いた舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の映画化をオリジナルキャストで手がけたいと望んでいたが、今や実現は「絶対に不可能」だと明言している。
『ハリー・ポッターと呪いの子』は、原作『ハリー・ポッターと死の秘宝』の19年後が舞台。ハリー、ロン、ハーマイオニー、ドラコは、自分たちの子どもをホグワーツ魔法魔術学校に送り出す親の立場となっている。本作は2016年にロンドン・ウエストエンドで初演され、2018年にブロードウェイに進出。2022年からは東京でも日本語版が上演されている。
2021年に同舞台を鑑賞したコロンバスは、「ぜひ監督したいです」と映画化への意欲を表明。ハリー役ダニエル・ラドクリフらキャスト陣が大人版のキャラクターを演じるのに「ちょうど良い年齢になった」として、オリジナルキャスト再集結への期待を示していた。
しかし、このたび英The Timesのインタビューで『呪いの子』映画化の進捗について問われたコロンバスは、「絶対に実現しないでしょう」と断言。その背景には、原作者J.K.ローリングのトランスジェンダーをめぐる差別的発言があるようだ。
「政治的な問題で、あまりにも複雑化してしまった。キャスト全員がそれぞれ自分の意見を持っていて、いずれも(ローリングの)意見とは異なる。だから、実現は不可能です。」
別のインタビューでもコロンバスは「作品と作者は切り離すべき」としたうえで、ローリングには「全く同意しない」「本当に悲しい」と発言していた。映画版キャストやスタッフの多くもローリングの姿勢に反発しており、将来的に『呪いの子』が映画化されたとしても、オリジナルキャストの続投は難しそうだ。
コロンバスは「ローリングさんとは10年ほど話していない」とする一方、キャストとの関係は今も大切にしているという。「ダニエル・ラドクリフとは頻繁に連絡を取り合っていて、つい数日前にも話したばかりです。子供役のキャストたち全員と、素晴らしい関係を保っていますよ」と明かした。
ちなみに、映画版でドラコ役を演じたトム・フェルトンは舞台『呪いの子』での再登場が決定しており、父ルシウス役のジェイソン・アイザックスも祝福のコメントを寄せていた。また、フリットウィック先生役のワーウィック・デイヴィスは、現在撮影中のドラマ版「ハリー・ポッター」での再演が発表されている。
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Source:The Times (via Variety)