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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ロックハート先生のご尊顔じっくり ─ 演じたのは『TENET テネット』ケネス・ブラナー、復帰にも意欲

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『ハリー・ポッター』シリーズ第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)で、個性的なキャラクターで目を惹くのが「闇の魔術に対する防衛術」教授のギルデロイ・ロックハート先生だ。演じたのはイギリスの名優ケネス・ブラナー。近作には『オリエント急行殺人事件』(2018)の主人公ポアロ、クリストファー・ノーラン監督『TENET テネット』(2020)の悪役セイターがある。

2018年10月、米Entertainment Weeklyはロックハート先生の“著者写真”を発掘して16年越しに掲載。監督のクリス・コロンバスからコメントまで得ている。

ロックハートは数えきれないほどの経歴と武勇伝を持ち、それらを自身の著書に綴っている。肩書きの数も豊富で、ハーマイオニーさえファンになっているほど。しかし、そんな偉業とは裏腹に、著者写真に見られるロックハートの姿はいささか間抜け……失敬、お茶目に見えるというものだ。

演じたケネス・ブラナーは、英ロンドンの名門演劇学校・RADA(王立演劇学校)を卒業後、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーにて多数の舞台に出演。シェイクスピアの同名戯曲を自ら主演・監督して映画化した『ヘンリー五世』(1989)でアカデミー賞の主演男優賞・監督賞候補となり、その後も数々のシェイクスピア作品を映画化した。そんなブラナーをロックハート役に起用したコロンバス監督は、すっかり演技の虜になってしまったようだ。

「(著者写真は)すべてブルースクリーンで撮影したんですが、ケン(ケネス)は大げさな演技もまったく問題なくて、すごく楽しかったですね。これまでの人生で一番おもしろい人のうちに入ります。すごいユーモアセンスの持ち主で、見事にやってくれました。」

コロンバス監督いわく、ロックハートの登場シーンで一番の気に入っているのは「ケンとダン(ダニエル・ラドクリフ)が写真にサインをしている場面。大好きです」。とにかく写真がツボにはまっているようで、「全部笑っちゃう」ために、お気に入りの写真を一枚選ぶことはできないという。

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ところでロックハート先生は、原作では『秘密の部屋』だけでなく、第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』にも登場。残念ながら映画版は『秘密の部屋』だけの登場となったが、映画版『不死鳥の騎士団』が公開された2007年、ケネスは「(出ていたら)良い出番だったと思うんですよね」残念がっていた。「人気のあるキャラクターだし、彼みたいな人はいないでしょう」。

さらに2015年、『ハリー・ポッター』と世界観を共有する『ファンタスティック・ビースト』シリーズの始動にあたって、ロックハート役の再演への興味を尋ねられた際にも「もちろん」と即答「今はCGが役に立ってくれますし、(『秘密の部屋』と)同い年、もしくはもっと若い見た目にもなれる。それってすごくロックハートっぽいですよね。彼はそういうの好きだと思いますよ」

ちなみにケネスは、俳優業だけでなく『マイティ・ソー』(2011)や『シンデレラ』(2015)『オリエント急行殺人事件』などで監督も務めている。その手腕を評価されたのだろう、実は『秘密の部屋』の撮影当時、第3作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の監督に就任するという可能性も浮上していたというのだ。もっとも、こちらは実を結ばず、続編はアルフォンソ・キュアロンが手がけるに至っている。

Source: Entertainment Weekly, MTV(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。