ティルダ・スウィントンが一人芝居、ペドロ・アルモドバル『ヒューマン・ボイス』公開決定 ─ 戯曲『人間の声』を自由に翻案、監督初の英語劇

ティルダ・スウィントン主演、『ペイン・アンド・グローリー』(2019)などのペドロ・アルモドバル監督作『The Human Voice(原題)』が、『ヒューマン・ボイス』として2022年11月3日(木・祝)より日本公開されることが決定した。あわせて、予告編と場面写真、ポスタービジュアルが到着している。
『ヒューマン・ボイス』は、ジャン・コクトーの戯曲『人間の声』を題材に、アルモドバル監督初の全編英語で映画化した短編作品。コクトーの戯曲は、アルモドバル監督にとって古くから馴染みがあるもので、幾度か作品に影響を与えてきたという。本作では原作をできるだけ忠実に脚色しようと試みたものの、性分に合わず、“自由に翻案”と説明を加えている。
元恋人に別れを告げられたばかりの女性が、電話での会話劇だけで展開する本作。最初こそ未練があることを悟られずにしていたが、次第に元恋人への感情を露わにしていく。“スーツケースを取りに来るというだけの電話をするのに何日もかけるような男を、狂気に至るまで愛してはいるが、媚びるほど依存しきってはいない女性”と、監督なりの解釈で主人公を描き出す。








本作で見事な一人芝居を演じ切ったのは、国際的にも広く支持され、演技派としても評価の高いティルダ・スウィントン。『ヒューマン・ボイス』でも圧倒的な存在感を放つ。そんなティルダについて監督は、「抽象的で演じるには困難があるこの役には、真実味と感情を持たせる優秀な女優が必要でした。彼女は才能の幅広さを証明したんです。彼女の知性と意欲、そしてとてつもない才能と、私に対する絶対的な信頼が大きな役割を果たしました。全ての映画監督がこういう気持ちになれることを願う」と大絶賛している。
このたび公開となった予告篇は、耳にイヤホンをつけた女性がベランダの花にガソリンを撒いている衝撃のシーンから始まる。何かを探しているのか、スーツやトランクの臭いを嗅ぎ回る犬。そして、スマホの画面を確認し、怒りに苛まれる女性。メイクを施して、ベッドに置いたスーツにそっと手を添えながら眠りにつく。そこから音楽と画面が切り替わり、色鮮やかなブルーのスーツで颯爽と工具店に訪れる姿や、ライターを付けたり斧を振りかざす様子が映し出されている。30分間という短い時間の中で繰り広げられる怒涛の展開を想像させる内容だ。
またポスタービジュアルでは、バレンシアガの真っ赤なドレスを身にまとったティルダ・スウィントンが斧を振りかざす姿が目を引く。さらに、ペンチや糸鋸といった様々な工具でタイトルや監督とティルダの名前が形作られ、アーティスティックな雰囲気の中にどこか狂気さえも感じる独特なデザインとなっている。

映画『ヒューマン・ボイス』は、2022年11月3日(木・祝)にヒューマントラストシネマ有楽町、 Bunkamura ル・シネマ、新宿シネマカリテ他公開。鑑賞料金は、特別料金として 800円均一。
▼ティルダ・スウィントンの記事
ゴールデングローブ賞2025年ノミネート一覧 ─ 「SHOGUN」真田広之らコメント、日本公開決定作品まとめ アカデミー賞前哨戦! 【ネタバレ】「ザ・ボーイズ」シーズン4第7話ディープ最大の悲劇、役者も「ショックだった」 なぜあんなことを…… 【ネタバレ】「ザ・ボーイズ」シーズン4第1話、あの超有名女優のカメオ出演に気づいた? ─ 作品は知らなかったが「面白そう」とまさかの快諾 衝撃のあの人 デヴィッド・フィンチャー監督最新作『ザ・キラー』予告編&ポスターが米公開 ─ マイケル・ファスベンダー主演 『セブン』脚本家と再タッグ ウェス・アンダーソン最新作『Asteroid City』予告編が米公開 ─ トム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、マーゴット・ロビーら豪華共演 今回もめっちゃ豪華