『インデペンデンス・デイ』、スタジオから真逆の意味のタイトルを要求されていた

ローランド・エメリッヒ監督が手がけたSF大作映画『インデペンデンス・デイ』(1996)のタイトルは当初、「世の終わり」「人類滅亡の日」という意味を持つ『Doomsday(ドゥームズデイ)』になる可能性があったという。なぜ真逆とも言えるタイトルが候補となっていたのだろうか。その経緯について、本作でアメリカ合衆国大統領トーマス・J・ホイットモアを演じたビル・プルマンが明かしている。
『インデペンデンス・デイ』は、タイトルにもなっている“独立記念日”を控えたアメリカに、円盤型の宇宙船(シティ・デストロイヤー)で襲撃を仕掛けてきた侵略者と、人間たちとの戦いを描いた物語。20年後の2016年には続編となる『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』が公開されている。
このたび米Cinema Blendのインタビューに応じたプルマンによると、本作のタイトルを巡ってエメリッヒ監督&プロデューサーのディーン・デヴリンと製作の20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)側で意見の相違が生じていたという。「タイトルは『Doomsday』になる予定だったと思います」とプルマンは語っている。
「フォックスがそうしたかったんです。当時のディザスター映画にありがちなタイトルでした。エメリッヒ監督たちは(タイトルを)『インデペンデンス・デイ』にしたかったので、私たちは演説をかなり上手くやらなければいけませんでした。」
プルマンが語る“演説”というのは、劇中でホイットモア大統領が侵略者への反撃を開始する際に行ったもの。この演説の終盤にホイットモアは、士気が高揚した現場で「今日、人類は独立記念日(Indepedence Day)を祝うのです!」と断言するのだ。どうやら監督たちは、この場面をフォックスに対する説得の手段として利用することを考えたようだ。
演説場面の撮影から数日後、プルマンはディーンと一緒にそのシーンを鑑賞したのだそう。プルマンは「“この映画は『インデペンデンス・デイ』と名付けるべきでしょ”と思いました」と鑑賞振り返っている。その後、フォックスは現在までに知られる「インデペンデンス・デイ」にタイトルを変更したということだ。フォックス側が変更を決断した理由は不明だが、仮にタイトルが『ドゥームズデイ』であった場合、映画の印象も全く違ったものになっていたかもしれない。
ちなみに、エメリッヒ監督は第3作の製作を考えていたという。しかし、第2作の成績が振るわなかったせいか、公式な情報は聞こえてこないままだ。監督は、「第3作に関してフォックスと話し合いを行った」と語っている。「その間に(ディズニーに)買収されたから、“(第3作は)たぶんダメかもしれない”と思いました。でも分かりませんね。実現するかしないか、様子を見ますよ。」
Source: Cinema Blend