『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ハリソン・フォードを若返らせた映像制作、監督が語る舞台裏 ─ 「月曜日に撮影して、水曜日にはもう若い姿に」

ハリソン・フォード主演『インディ・ジョーンズ』シリーズ完結作となる『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。劇中のフラッシュバックシーンにかけた並々ならぬこだわりを、監督のジェームズ・マンゴールドが英Total Film向けのインタビューにて語っている。
『インディ・ジョーンズ』は、考古学者で冒険家のインディアナ・ジョーンズが秘宝を求めて世界中を飛び回り、様々な危険や謎に立ち向かいながら冒険を繰り広げる不朽の名作アドベンチャー・シリーズ。過去作の主な時代設定は1930年代だったが、1969年が舞台となる最新作では、オープニング映像にて現在80歳のハリソンがオリジナル3部作当時の姿に若返ることが明かされている。
新たな映像にマッチする若きハリソンのアーカイブ映像を探し当てるべく、ILMの新ソフトウェアなど、いくつもの最新デジタル技術が駆使されているが、マンゴールドたちはクローズアップからミディアム、ワイドショットや、ありとあらゆる種類の照明、昼や夜のショットなど、過去の映像を集めるのに何百時間も要したそうだ。
しかし、当該シーンの撮影に関しては、マンゴールドは特別なことはしなかったと述べている。「私はただハリソンを撮って、彼はただ35歳のように振舞っていただけです。テクノロジーが全てを巻き込んでいったんです」と技術の力が作品に大きく寄与したと述べている。
「月曜日には79歳で35歳の役を演じるハリソンを撮影しましたが、水曜日のラッシュ上映時には、彼の頭部がすでに若い姿に取り替えられていたんです」
実にスピーディな作業が、撮影に遅延を発生させない上でも大きな助けとなり、結果として25分にも及ぶというオープニング映像にひたすら集中することができたと、マンゴールドはテクノロジーの力に大きく感謝を述べている。
『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)より40年あまり、ついに完結を迎える『インディ・ジョーンズ』シリーズ。ファンにとっては寂しさも覚えるが、製作陣が一丸となったオープニング映像の胸アツな仕上がりに期待したい。
出演者はインディアナ・ジョーンズ役のハリソン・フォードをはじめ、ヘレナ役に「Fleabag フリーバッグ」(2016-2019)のフィービー・ウォーラー=ブリッジ、ユルゲン・フォーラー役に“北欧の至宝”マッツ・ミケルセン。発掘屋サラー役をジョン・リス=デイヴィスが再演するほか、アントニオ・バンデラス、シャウネット・レネー・ウィルソン、トーマス・クレッチマン、トビー・ジョーンズ、ボイド・ホルブルックらが出演する。 監督・脚本は『LOGAN/ローガン』(2017)『フォードvsフェラーリ』(2019)のジェームズ・マンゴールド、共同脚本は『フォードvsフェラーリ』のジェズ&ジョン=ヘンリー・バターワース、デヴィッド・コープ。音楽は名匠ジョン・ウィリアムズ、製作総指揮はシリーズ過去作を手がけたスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが務めた。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は2023年6月30日、日本公開。
▼ 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の記事
ハリソン・フォード、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』不振は「仕方ない」 ─ 「私は今でも嬉しく思う」 「まだ物語があると信じていた」 不振『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』監督、「物事には終わりがあることを観客に受け入れてほしかった」と無念振り返る 「楽しかったけど辛かった」 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』200億円超の損失か ─ 支出額が判明、ポストプロダクションで費用ふくらむ 今後の予定も未定 2024年ラジー賞、『プー あくまのくまさん』が最多受賞 ─ 「1作目は素晴らしくなかった」と続編の脚本家 俳優部門もチェック 2024年アカデミー賞 受賞結果(第96回) ─ 作品賞『オッペンハイマー』最多7部門 速報でお伝えします
Source:Total Film