Menu
(0)

Search

「アイアンマンはマーベル映画の核心」 ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』監督がトニー・スタークの重要性を熱弁

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
© Marvel Studios 2018

2019年5月に米国公開を迎える『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』をもって、過去10年以上にわたって展開されてきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は大きな区切りを迎える。その物語を主に牽引してきた人物の一人が、天才科学者にして実業家のトニー・スターク/アイアンマンだ。

そもそもマーベル・シネマティック・ユニバースという映画界の“事件”は、2008年、『アイアンマン』という作品から始まった。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)のアンソニー&ジョー・ルッソ監督は、アイアンマンという存在の重要性を改めて強調する。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』© Marvel Studios 2018

「あらゆる面でアイアンマンはマーベル・ユニバースの核心(heart and soul)だと思います」。米WIREDのインタビューでこう語ったのはジョー・ルッソ監督だ。

「彼は魅力的な人物、大好きなキャラクターです。なぜなら、彼には大きな欠陥があるから。僕たちは、取り扱いが難しくて、また人間性が示されているキャラクターが大好きなんですよ。あらゆる登場人物と同じく、トニー・スタークもそうだと思います。ナルシスティックで、アルコールに依存していたところからヒーローへと成長したことが、彼を非常に共感できる人物にしているし、またマーベル・ユニバースが描くものを表していると思います。登場人物が先にあって、彼らの選択によってヒーローが形づくられていくんだと。」

ジョー監督が指摘しているのは、まさしくMCUに横たわる根幹といえるものだろう。ソーやキャプテン・アメリカ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ドクター・ストレンジ、スパイダーマン、ブラックパンサー、彼らはみな一人の人間や生き物として登場し、ヒーローとしてではなく、まずはひとつの存在として喜び、悲しみ、葛藤しながら戦いに臨んでいくのだ。MCUが現在ほどの存在感を放つ以前から、その精神性はトニー・スターク/アイアンマンという存在を通じて示されていたわけである。

またアンソニー監督は、トニーの持つ能力についてもこのように語っている。

「トニー・スタークの能力が魅力的なのは、それが彼の心から生まれているからなんです。彼の科学に関する知識、技能、知性、願いに由来している。だから人物の変化を追いかけられるし、能力を使うことで彼が成長し、よりよい人物になっていくのを見ることができるんですよ。」

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、『アベンジャーズ』第4作をもって「10年以上にわたる22本の映画には決定的な結末がやってくる」と述べた。すなわちトニー・スターク/アイアンマンの物語にも、ある意味でひとつの結末が与えられるに違いない。演じるロバート・ダウニー・Jr.は同作をもってマーベル・スタジオとの出演契約を満了し、その後、ロバートがトニー・スタークとして再び登場するかはまだわからない。

映画『アベンジャーズ』第4作は2019年4月26日(金)に米国公開予定。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』MovieNEXは2018年9月5日発売。

Source: WIRED

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。