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【ネタバレ】『IT/イット THE END』カメオ出演の解説 ─ 「私が出た映画は、たいていコケる」ジンクスを覆せ

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

この記事には、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』のネタバレが含まれています。

『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』のカメオ出演者は実にユニークだ。例えば、冒頭シーンで襲撃されてしまうゲイの青年エイドリアン・メロンは、映画監督で俳優のグザヴィエ・ドランが演じている。ほか、1990年のTV映画版で少年時代のベンを演じたブランドン・クレーンも密かに登場しているほか、『ペーパー・ムーン』(1973)などで知られる巨匠映画監督のピーター・ボグダノヴィッチも現れる。(ピーターはホラー嫌いにも関わらず、アンディ監督に『年老いた映画監督の役なんて、無いよねぇ』と尋ね、アンディが『それが、あるんですよ』と応えたことで実現したという。USA Today)また、アンディ・ムスキエティ監督と実姉でプロデューサーのバルバラ・ムスキエティも、まさにカメオ的にチラリと映る。

『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』アンディ・ムスキエティ監督、バルバラ・ムスキエティ
© THE RIVER

中でも最もスクリーンタイムの長かったカメオが、原作者であるスティーヴン・キングだ。キングは、ジェームズ・マカヴォイ演じるビル・デンブロウが、子供時代の相棒だった自転車(シルバー)を発見するシーンで、質屋の店主として登場する。ビルが“Bicycle(自転車)”と言おうとするも吃音のため「ブ……ブ……」と言葉に詰まってしまい、キング演じる店主が気だるそうに「ボーリング・ボール?」などBで始まる単語をいくつか尋ねる、という下りだ。

スティーヴン・キングのカメオ出演

ニヤリと笑えるこのカメオは、どのように実現したのか。THE RIVERが参加した来日インタビューでアンディ監督は、「実は1作目でも登場頂きたかったのですが、1作目の執筆当時は連絡先が分からなかったんですよ」と意外な事実を明かす。

「脚本のドラフトを読んで頂いていることは知っていたのですが、気に入ってもらえて、そこからお話させて頂けるようになりました。それからどんどん仲良くさせて頂いて、ある時点で僕がまだ執筆中のものをお見せしたいと思ったんです。彼の方にも、映画に取り入れてほしいことリストがありました。それは楽しい感じのやり取りで、決して“私がクリエイターだ”、“これこれこうするように!”みたいな感じではないですよ。ほんと、ファミリーって感じで。」

キングの「映画に取り入れてほしいことリスト」には、例えば「ポール・バニヤン(リッチーを襲う大きな木こりの像)が見たい」「配水塔が転がるやつが見たい」といったものがあった。「“配水塔が転がるやつ”というのは、原作では街が崩壊するようなドデカい出来事なんですが、制作費がまかなえなかった。だから、もっと感動的でエモーショナルな展開を用意しました。」(アンディ)

アンディの実姉でプロデューサーのバルバラ・ムスキエティが「(アイデアを)書くことと撮ることでは、全然違いますからね」と加えれば、アンディは「そうそう。CG製作費も限りがありますからね」と頷く。

巨匠が気にしたジンクス

偉大なる原作者スティーヴン・キングははじめ、自分のカメオ出演を渋ったという。「本人は“私がカメオ出演した映画は、たいていコケる”というジンクスを気にされているみたいでして(笑)。だから、“じゃあ、覆してやりましょう”と言いました」と、アンディは明かしてくれた。

キングがBで始まる単語を連発するシーンは脚本に書かれていないもので、撮影現場で生み出された案だった。そもそも、ビルが“Bicycle”を言えなくなるという展開自体、ジェームズ・マカヴォイがその場で提案したものだったという。

「そこにキングが“ボーリング・ボール?ベースボール・カード?バンジョー?ビーバー?”って聞いてくる。あれ、実際には20単語ぐらい言ってもらったんですよ。キングはテイクの間にノートを開いて、Bで始まる単語をひたすら箇条書きしていました(笑)。“バービー&ケン?ブルドーザー?”って。ロングカットがあれば、あのシーン永遠に終わらないですよ(笑)。」(アンディ)

クスリと笑える裏話を明かしてくれたアンディとバルバラだが、キングへ敬意を払うことも忘れない。バルバラは「キングは本当に素晴らしい方だと言わせて下さい」と加える。「世界で最も成功した作家でありながら、非常に親切で献身的な方です。多額の寄付もされていて、図書館や老人ホームなどを建てられいるんですが、全て匿名でやられているんですよ。」

映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』は、大ヒット公開中。アンディの意気込み通り、「キングが出た映画はコケる」というジンクスは完全に覆したと言えるだろう。気を良くしたキングが、今後の自身の作品にどんどん出たりして。

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Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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