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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』合計900時間以上の映像を撮影していた ─ 超大作映画、製作現場の狂気

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』サノス
© Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、マーベル・シネマティック・ユニバースのヒーローたちが結集して戦いに挑む超大型クロスオーバー作品だ。その舞台裏もまた、本編と同じく想像を絶する戦いが繰り広げられていたらしい。

11年間の締めくくりとなった2つの作品で編集を担当したジェフリー・フォード&マシュー・シュミットは、実に900時間以上にも及ぶ映像素材を繋ぎ合わせて映画を生み出した、その過酷な日々を振り返っている。

稀代の超大作、連続製作の狂気

『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』製作のコアメンバーとして、ジェフリー&マシューの二人が製作に関わり始めたのは2017年1月のこと。2本の映画は連続で、時に順番を前後しながら撮影が進められている。

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それは、撮影が継続されているさなかにも編集作業を行わなければならないということだった。アンソニー&ジョー・ルッソ監督は撮影現場の最前線と編集室を行き来し、ジェフリー&マシューは現場から次々に届く映像を編集しつづける毎日が続いたのだ。米Business Insiderのインタビューにて、ジェフリーは日々の作業をこう振り返る。

「来る日も来る日も映像を編集し、洗練していって、どこを撮り直すのか、どこを完成させるべきなのかを探っていました。プリプロダクション(事前準備)と撮影、ポストプロダクション(仕上げ)を同時に進める毎日が、ほぼ一年にわたって常に続いていたんです。

そんなメチャクチャな一年を終えた後、(2018年)1月から4月まで、まさしく地獄のような、ほとんど不可能なポストプロダクションに突入しました。『インフィニティ・ウォー』をやっていた頃は、僕の映画人生で最もハードな時期だったと思います。クレイジーな作品にもいくつか関わってはきたんですが。」

アベンジャーズ/エンドゲーム
ⒸMarvel Studios 2019

「メチャクチャ」「地獄」「不可能」「ハード」。ジェフリーの使う言葉は、いかに当時の作業が過酷なものだったかを切実に物語っている。二人はこのほかにも、「つらい」「苦しい」「プレッシャー」などといった言葉を使って自らの仕事を語ったそう。ちなみにジェフリーが『インフィニティ・ウォー』の最終仕上げにあたっている間、シュミットは『エンドゲーム』の仮編集を進めていたという。

「『エンドゲーム』の本撮影が終わった1週間半後には、最初の編集版を(ルッソ監督に)見せていましたね。」

超大作であるがゆえ、またルッソ兄弟がしばしば即興演技を取り入れながらテイクを重ねるためでもあっただろう、『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』で撮影された映像素材の長さは900時間以上にのぼった。ジェフリーいわく「3つのユニット、時には4つのユニットから、毎日大量の映像が届きました。モーションキャプチャーの映像は含まずにです。それでも少しずつやれば、やり遂げられるものなんです」。

編集室に届いた映像のうち、本編に使えない場面や、ひとつのシーンやカットを複数回にわたって撮影した映像も圧倒的に多かったことだろう。しかし、それにしたって、『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』の合計上映時間は約5時間30分である。撮影された映像のうち、少なく見積もっても894時間30分以上は倉庫に眠ることになったのだ。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中。

鑑賞済みの方はこちらの記事もどうぞ

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Source: Business Insider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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