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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』中盤の重要人物を解説 ― 『ウォーキング・デッド』アーロン役俳優が演じていた

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、出演者やスタッフ、観客にも徹底した秘密の厳守を求める作品だ。その「何を言っても内容を明かしてしまうことになる」という恐ろしい特徴は、本作がいかに高い密度で構成され、いかに見どころが細部まで行き届いているかを象徴しているだろう。

したがって本作の重要なポイントを解説する本記事は、やむを得ず非常に抽象的なタイトルになってしまうことをお許しいただきたい。しかし、すでに本編をご覧になった方で、マーベル・シネマティック・ユニバースを追いかけてきた方ならば、この「中盤の登場人物」が誰を指しているのかはきっとお分かりいただけるに違いない……。

注意

この記事には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

© 2018 MARVEL

レッドスカル、ソウル・ストーンの案内人に

マーベルファンが目を疑った問題のシーンは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の中盤、いまだ所在が明かされていなかったインフィニティ・ストーンのひとつ「ソウル・ストーン」の在り処である惑星ヴォーミアに、サノスがガモーラを伴って現れた場面だ。
二人の前には、ソウル・ストーンへの案内人となる“謎のベールの人物”が立ちはだかる。筆者がぼんやりと「『ハリー・ポッター』のディメンターかな…?」などと思ったのも束の間、この案内人の正体がレッドスカルであることが明かされるのだった。

あまりに突然の再登場ゆえに、彼が何者なのか一瞬わからなかったとしても無理はない。なにせ、レッドスカルが前回登場したのは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)なのである。
スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカの宿敵であり、ナチス・ドイツの軍人ヨハン・シュミットが超人血清によって強化されたキャラクターであるレッドスカルは、テッセラクト(四次元キューブ)/スペース・ストーンを入手していた。同作のクライマックスで彼はキャプテン・アメリカと激しい戦いを繰り広げるが、そのさなか、テッセラクトの暴走によって姿を消してしまう。すなわち、レッドスカルは長らく生死不明の状態であったのだ。現実世界では約7年間、物語の世界では70年以上……。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、レッドスカルは、かつて自身がインフィニティ・ストーンを手にしようとしていたこと、そして現在はヴォーミアにて一人で生きていることが語られる。孤独である彼は、ソウル・ストーンを手に入れるには愛する者を犠牲にしなければならないとサノスに伝えるのだった。「魂には魂を」と。

ところで、なぜ本作にレッドスカルが登場することになったのだろうか。10年間の集大成ゆえのファンサービスだったのか、それとも今後のマーベル・シネマティック・ユニバースにおいてなんらかの役割が与えられることになるのか。
留意しておきたいのは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』および『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』を執筆したクリストファー・マルクス&スティーヴン・マクフィーリーが、レッドスカルの登場した『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』を手がけた脚本家であるということだ。

レッドスカル役、渾身のモノマネで新キャストが演じていた

『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』でレッドスカルを演じたのは『マトリックス』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで知られるヒューゴ・ウィーヴィングだったが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では俳優が変更されている。
新たにレッドスカルを演じたのは、ドラマ『ウォーキング・デッド』(2010-)でアーロン役を演じるロス・マーカンド。スター俳優のものまねでも有名な人物で、すなわち本作ではヒューゴの“完全コピー”によってレッドスカルを演じていたわけである。あらゆる俳優を次々にものまねしていく、彼の超絶技巧は以下の映像でご覧いただきたい。要するに、栗田貫一がルパン三世を演じているのと同じような配役だったのだ……。

ちなみに今回の配役変更には、2012年、ヒューゴがレッドスカル役を「二度やりたい役ではない」語っていたことが背景にあるのかもしれない。2016年には再演について「わからない」と述べていたが、本作でその結果が明らかになったわけである。
いずれにせよ今後、ロス・マーカンド演じるレッドスカルがマーベル・シネマティック・ユニバースに登場するかどうかは不明。すべては『アベンジャーズ』第4作で、あるいはその後の作品で判明することだろう。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国の映画館にて公開中

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Source: IGN

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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