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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』はヒーローに「過去の10倍、究極の試練与える」 ― 監督にとっても「集大成」宣言

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、2008年『アイアンマン』から10年間続いてきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の集大成、総決算となる作品だ。一連のストーリーがひとまず決着を迎える本作、そして2019年公開『アベンジャーズ』第4作について、アンソニー&ジョー・ルッソ監督は「過去10年間のユニバースが一冊の本だとすれば、これはそのエンディングです」と話している。

『アベンジャーズ』(2012)、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)のジョス・ウェドン監督に代わって、60人以上のキャラクターが入り乱れる空前の群像劇を手がけるルッソ監督は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で複雑な人間模様を描ききった逸材。二人は本作で、ヒーローたちに究極の試練を与えると宣言する。

ヒーローたち、そして監督にとっての「最後の試練」

2017年夏、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の撮影現場にて、ルッソ監督はインタビューに応じている。この作品がMCUの集大成、総決算であることは、二人にとってどんな意味を持つのだろうか?

アンソニー: ストーリーテラーとして、(集大成であることとは)映画に大きな変化を求めるということです。キャラクターを変化させ、キャラクターに挑戦するための。キャラクターを掘り下げて、キャラクターを試すための変化ですね。登場人物にとって究極の試練とは何なのか、それを解き明かす機会が与えられたと思っています。(本作では)これまで登場人物に与えてきた試練の、その先へ進みたいんです。

闇の帝王サノスがインフィニティ・ストーンを求めて地球へと襲来する。そんな試練に立ち向かうのは、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、スパイダーマン、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー……いずれも豪華スターが演じるマーベル・ヒーローだ。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、そして『アベンジャーズ』第4作の連続撮影は約1年に及び、アンソニー監督は「撮影中ずっと全員を拘束したら、ハリウッドが回らなくなってしまう」と述べたほど。パズルのようなスケジュールに従って、多くの俳優が別の作品と“掛け持ち”しながら撮影に臨んでいたという。

むろん複雑なのは撮影スケジュールだけではない。それほど大勢のヒーローたちにとっての「試練」を撮ることは、ルッソ監督をはじめとした作り手たちにとっても大いなる試練だったのだ。

ジョー: 多くの人物が出てきます。アクションがすごく複雑になるどころか、たくさん登場人物がいるので、キャラクターが喋っているだけで非常に複雑なシーンすらあるんですよ。[中略]全員を撮らなきゃいけませんからね。全員が特別なキャラクターで、全員が物語上重要で……。

アンソニー: それに、全員が誰かのお気に入りのキャラクターなので

製作の苦労をにじませるルッソ監督は、本作への取り組みを、彼ら自身にとっての「最後の試練」だと形容する。

ジョー: (MCUへの参加は)僕たち自身にとっても冒険だったと思います。映画監督として、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)で作ったテーマを『シビル・ウォー』で発展させて、それを『インフィニティ・ウォー』へと繋げる。コミックのファンとして、どんなキャラクターを、どんなストーリーを観たいのか。僕らの個人的な観点でキャラクターを創造し直しているんです。
ですから、(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は)過去10年間のストーリーの集大成にして、僕たちにとっては、映画監督としてMCUに参加してきたことの集大成でもありますね。すべてのキャラクターを自由に扱わせてもらえて、僕ら自身の視点で世界を見つめ、人物を描いて、本当に必要だと感じたテーマを取り入れた、そんな2本の映画です。

アンソニー: 僕たちは、成熟した、ドラマチックな、力強いストーリーが好きなんです。この映画では、登場人物の葛藤や危機を丁寧に扱っていると思います。危機がなければ、物語には十分な価値が生まれませんから。MCUが10年間かけて語られる一つの物語だとしたら、今回はそのクライマックスです。この映画では、これまでの10倍もの危機が彼らに訪れることになりますよ

ちなみにジョー監督は、インタビューの中で製作チームへの最大限の感謝を述べている。「この映画は最高のチームなくして実現できません。僕たちには、長い時間をかけて生まれた最強のチームがいます」という言葉には、キャスト・スタッフに対する心からの信頼が表れているだろう。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー
マーベル・シネマティック・ユニバースが積み上げてきた10年間のストーリー、そして10年間を支えてきたキャスト・スタッフの「総決算」が、もうすぐその幕を開ける。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-iw.html

Source: SR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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