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『ブラックパンサー』以降、ワカンダはどう変わる?『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』親衛隊ドーラ・ミラージュの葛藤

映画『ブラックパンサー』、そして『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は深いつながりを持った作品だ。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の予告編にはワカンダが印象的に登場しており、数多くのヒーローたちがそこを訪れることがわかる。

ティ・チャラ/ブラックパンサーが国王を務めるワカンダという国は、『ブラックパンサー』を経てどのように変化したのか。そして、その変化はそこに暮らしていた人々にどんな影響を与えたのか。国王の親衛隊ドーラ・ミラージュのリーダー、オコエ役を演じるダナイ・グリラが語っている。

注意

この記事では、映画『ブラックパンサー』のネタバレ、および『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の内容に言及しています。

ブラックパンサー
『ブラックパンサー』(2018)より ©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

開かれたワカンダ、ドーラ・ミラージュの葛藤

『ブラックパンサー』にて、父親ティ・チャカの死を受けて国王となったティ・チャラは、エリック・キルモンガーとの対面を経て、自国の先祖たちが採ってきた「孤立」という選択の過ちを悟った。自国の資源や技術、文化を守るために、国外で起こっていることに介入しなかったことは、結果として別の憎しみを招いていたのだ。映画の結末でティ・チャラは、ワカンダが諸外国を支援していくことを宣言する。かくして、ワカンダは長い歴史の中で初めて世界に開かれたのだった。

しかし、そうした変化に対応することはたやすいことではない。オコエ役のダナイ・グリラは、ワカンダを「非常に伝統的な場所」だと述べ、オコエ自身も伝統主義者なのだと語った。

「千年前の祖先が作った産業、伝統、儀式、組織は厳重に守られてきたものです。彼女(オコエ)もそれらを背負っている。国の機密情報や軍隊を任されていますからね。(中略)彼女には、自分の組織(ドーラ・ミラージュ)が王座を守らなければならないという責任もあります。(『ブラックパンサー』を経て)彼女たちは、国境を開き、自分たちが何者かを知らしめるという変化を経験しなければならないんです。その準備ができている人たちもいますが、オコエはまだなんですよ。」

たとえば「その準備ができている」代表は、国王ティ・チャラのほか、その妹シュリだろう。いってしまえば『ブラックパンサー』の時点で、シュリは自国の秘密を守るということにさほど頓着していなかったのだ……。

しかしそうした事情に関係なく、闇の帝王サノスは、宇宙の半分を消滅させるべく6つのインフィニティ・ストーンを求めて地球を襲撃する。マインド・ストーンを持つヴィジョンを守るため、ワカンダは地球側の「最後の砦」になるというのだ。アベンジャーズをはじめとしたヒーローたちも、揃ってこの地に足を踏み入れる。オコエにとって、この変化は非常に激しいものといえそうだ。

「彼女は(ヒーローたちの来訪に)慎重なんです。失敗しうることがどれだけあって、それらをどれだけコントロールできるのか、ということを彼女は常に考えていますよ。圧倒的なものを前にして、彼女はさほど力を持っていないんですけどね。それでも本能的に警戒しているし、不安なんです。ドーラ・ミラージュとしての使命は幼い頃から学んでいますし、オコエの使命はこの国を守ることですから。」

では、本作での戦いに、オコエはどのように関わっていくのだろうか?

「(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では)戦いがやってくるわけですが、彼女は必要とされる場所に行くタイプの人物です。特に、王の決断に深く関係していると思います。[中略]彼女は自分自身の思いを(ティ・チャラに)伝えながら、彼の決定によって動くことになりますね。」

ワカンダは開国早々、宇宙からの訪問者という想像を絶する強敵と対決することになる。この激動を経て、ドーラ・ミラージュをはじめとしたワカンダの人々はどこへ向かっていくのか……。集大成となる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、かつて『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)が『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)へと繋がったように、新たな物語を呼び起こすことになるのかもしれない。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー。なお、『ブラックパンサー』は2018年3月1日より全国の映画館にて公開中。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-iw.html

Source: SR

 

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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