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ジャッキー・チェン「今のハリウッドで良い映画を作るのは難しい」「昔の映画のほうが良かったと思う」

John Jason Junior https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jackie_Chan_2024.jpg#/media/File:Roberto_Balzaretti_et_Jackie_Chan_Paris.jpg

「アメリカと中国の文化的な架け橋になることが目標だった」と、アクション映画界の“レジェンド”ジャッキー・チェンは言う。第78回ロカルノ国際映画祭でキャリア・レパード賞を受賞したことを記念し、Q&Aにて自らの半生を振り返った。

若い頃から、監督・脚本家・俳優・スタントマン・スタント・コーディネーターなど多岐にわたり活躍したジャッキー。「アジアですべてをこなせるのはサモ・ハンかジャッキー・チェンしかいません」と笑顔を見せたが、アメリカでは、深夜のトーク番組でスタントや格闘技ばかりを求められたという。「何をすべきかと考え、歌を学ぶことにしました。僕は歌えるから(サモ・ハンよりも)優れているんです(笑)」。

俳優としての夢は、「アジアのロバート・デ・ニーロ」だったと振り返る。「ロバート・デ・ニーロを武術のジェスチャー付きで紹介する人はいませんよね(笑)。最近になって、“ジャッキーはいい役者だね”とようやく言われるようになりました。だからこそ、この賞をいただけたのだと思います」

最新作『ベスト・キッド:レジェンズ』は、ジャッキーにとって久々のアメリカ単独製作映画だ。ジョン・シナと共演した前作『プロジェクトX-トラクション』(2023)は中国との合作で、しかも撮影自体は2018年に行われていたもの。ハリウッドと中国市場の関係が変化してきた背景もあるとみられるが、中国資本の入っていない実写映画に出演するのは『ダブル・ミッション』(2010)以来となる。

ベスト・キッド:レジェンズ

ただし、ジャッキーは現在のハリウッドにやや厳しい視線を向けている。「昔の映画のほうが良かったと思う」といい、「大手スタジオの多くはフィルムメイカーではなくビジネスマンになってしまった」と指摘した。「彼らは4,000万ドルを投資して、“どうやって回収する?”と考え、結局は回収できないんです。今、いい映画を作ることは本当に難しくなりました」。

アメリカでのキャリアで、特に印象深いのは代表作『ラッシュアワー』(1998)だ。予算や撮影場所などの制約はあったが、「『ラッシュアワー』は文化を変えたと思う」という。「もしも失敗していたら、僕はそこで終わりでした」。

映画『ベスト・キッド:レジェンズ』は2025年8月29日(金)日本公開。久々となるハリウッドでの本格的な活躍を、ぜひお見逃しのないように。

Source: Deadline, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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