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【えっ】ジェームズ・ガン監督『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を当初「いいアイデアとは思わなかった」&『Vol.3』脚本に問題発生

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の大ヒットと好評を受けて、ますます期待される『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(仮題)』。この映画に脚本・監督として再登板するのが、そのエンターテインメント精神と尖りまくった作家性であらゆる観客の心をつかんだジェームズ・ガンだ。

このたびガン監督は、2017年6月13日~15日(現地時間)にロサンゼルスで開催されているビデオゲームの見本市「E3」に登場。フィクションの世界を構築することについて登壇者が語り合う「ワールドビルディング・パネル」にて、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の製作秘話や『Vol.3』の進捗状況を明かした。

喋るアライグマは「へんてこ過ぎる」

パネル・ディスカッションの途中で、ガン監督は初めて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』という作品について聞かされた際の実感をこう語っている。

「初めて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を提案された時、正直言って、良いアイデアだとは思わなかったよ。言葉を喋るアライグマと奇妙なキャラクターなんて、へんてこ過ぎるってね。初めて聞いた時には、『アベンジャーズ』の中盤にバッグス・バニーが出てくるようなものだと思ったんだ。うまくいくとは思えなかった」

しかしガン監督の気持ちは、ある一点を境に急激に変わっていったようだ。

「コミックのガーディアンズは知っていたし、大好きだったよ。ただしマーベル(・シネマティック・)ユニバースには合わないと思ったのさ。でもドライブしながら家に帰ってる時、“オーケー、こう考えてみよう”と思った。喋るアライグマみたいなのがいるとして、何がそうさせたんだろう? どんなふうに生まれたんだ?ってさ。そこで僕が見つけたのは、とても悲しい答えだった。僕にとっては、それが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』全体の土台になったんだよ」

登場人物の“過去”が『Vol.3』の脚本に影響?

ガン監督がこう述べるように、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の登場人物にはそれぞれ複雑な過去がある。物語のカギを握るものや多くは語られないものなど、その種類はさまざまだ。ところが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』の脚本を執筆する監督の前に、かつて自らが用意した“登場人物の過去”が立ちはだかっているという。

「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』の脚本を書いていて、昨日[6月12日]、トリートメント(物語の要約)の初稿を書き終えたんだよ。ワクワクしてるし、とっても面白いと思う」

こう豪語したガン監督だったが、しかし同時に、脚本にある問題が見つかったことを明かしているのだ。

「第1作で“あること”をやったんだ。(映像の)背景なんだけど、ハッキリわかるもので、みんなが知ってることだよ。でもそれが“ちくしょう!”って感じなのさ。つまり、すごく良いストーリーテリングの動機を思いついたんだけど、それが設定を壊しちゃうんだ。昨夜遅くに気づいて、それをやるかやらないかはまだ分からないな」

では第1作のどこに問題があったのか……。いったん伏せたものの、監督はすぐにその内容を告白している。

「第1作にマグ・ショット(逮捕後に撮影される写真)のシークエンスがある。そこでノヴァ軍のマシンに、それぞれの情報が出てくるんだよ。一般的な観客はまったく見ないものだけど、その背景に僕はいろんな情報を入れたのさ。誰と仕事をしていたとか、どこから来たとか、何をしているとかね。その中のひとつを変更しようかと考えてるんだ」

どうやらガン監督は、自ら設定した“過去”を変更するかどうか思案しているようだ。もちろん現在は「トリートメントの初稿」ということで、現状の内容と完成版の映画は大きく異なる可能性もある。しかし今から『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』第1作を確認して、そこに何が書かれているのかチェックしておくと、もしかすると『Vol.3』がより楽しめたりするかもしれない……。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は2017年5月12日より公開中。観てない人は急いで!

Sources: http://comicbook.com/marvel/2017/06/13/guardians-of-the-galaxy-james-gunn-bad-idea/
http://www.slashfilm.com/guardians-of-the-galaxy-3-story/
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/ガーディアンズ-オブ-ギャラクシー-MovieNEX-デジタルコピー-MovieNEXワールド-Blu-ray/dp/B00PFOH29I/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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