舞台はイタリア、日本モチーフのダークヒーロー誕生!『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』のすすめ
世界には、色々なスーパーヒーローがいる。クモに刺されて超人的な力を手に入れた者もいれば、執事とこっそり暮らしているヒーローもいる。下ネタ大好きなヒーローもいれば、まとめてレゴにされちゃうこともある。そして今回、また新たなるダークヒーロー・ムービーが、なんとイタリアで誕生した。日本文化へのリスペクトを捧げて作られた映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』だ。
『鋼鉄ジーグ』の名前を聞いたことはあるだろうか?これは『デビルマン』や『マジンガーZ』などの著者永井豪が手がけた、1970年代に日本で放送されていたアニメのタイトルなのだ。実はこの『鋼鉄ジーグ』は79年にイタリアでも放送。幼い頃から日本アニメのファンだったガブリエーレ・マイネッティが『鋼鉄ジーグ』を重要なポイントに作り上げたのが今回の映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』なのである。
映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』ストーリー
舞台はテロや犯罪が蔓延し、すっかり荒廃してしまった街ローマ。主人公エンツォも盗品を売りさばき、孤独なその日暮らしの生活を送っていた。しかしエンツォはある日ひょんなことから、強大なパワーの特殊能力を手に入れてしまうのだ。
やがてエンツォとアレッシアの間には恋が芽生え始めるが、悪の組織のリーダー、ジンガロが2人の行方を阻み…という物語だ。
奇妙でバランス抜群な作品
海外の映画にいきなり日本の曲が流れたり、日本のアニメが現れるとなんとも奇妙な心地になる。『リザと狐と恋する死者たち』『マジカル・ガール』、『嗤う分身』などでも日本の歌謡曲が使用されていたが、それだけでどこかファンタジックで個性的な印象が強く残る。この『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』もまた、そんな奇妙な日本文化の融合が楽しめるところが魅力の1つだ。
日本のアニメ、ギャングの抗争、スーパーヒーロー、少々風変わりなヒロイン。それぞれ全く違う素材が不思議なぐらいぴったりと合わさり、今までに無い新しいヒーロー映画となっているのが『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』なのだ。
新しい”ダークヒーロー”
”スーパーヒーロー”の定義とは何だろう?悪より善を選び、正義のために立ち上がる。しかしヒーローだって必ずしも最初から、正真正銘の善人というわけではない。善と悪は表裏一体であるし、表舞台で活躍するヒーローだって実は孤独も抱えている。それは様々なヒーロー映画で描かれてきた。
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